日本航空(JAL/JL、9201)は現地時間7月30日、東京-台北線就航60周年を迎えた台北松山空港で記念式典を開いた。羽田行きJL98便の乗客には、搭乗証明書などの記念品が配られた。この日の夜には、台北市内で日台路線就航60周年パーティーが開かれ、JAAのボーイング747-300型機の模型などゆかりの品が展示されたほか、客室乗務員がJALとJAAの歴代制服を披露した。
—記事の概要—
・日本台北間は1日6往復
・「季節変動ほとんどない」
日本台北間は1日6往復
JALは60年前の1959年7月30日に、羽田-台北(松山)-香港線として、日本と台北を結ぶ路線を週2往復で開設。機材はダグラスDC-6B型機を投入した。1974年には台湾当局による日台路線停止措置に基づき、JALは日本と台湾を結ぶ路線を休止したものの、日台間路線の再就航に向けて完全子会社の日本アジア航空(JAA/EG)を設立し、1975年9月15日からJAA便として羽田-松山線の運航をDC-8で再開した。
1978年5月に当時の新東京国際空港(現成田国際空港)が開港し、JAAを含むJALグループの国際線は成田に拠点を移した。那覇や名古屋など、成田以外の台湾路線も開設し、機材も747-300やDC-10などの大型機を導入。30年以上にわたりJAAが日台間の翼を担ってきたが、2008年3月末でJAAとしての運航を終え、4月からはJALによる運航に戻された。
JALの台北路線は現在、羽田から松山へ1日2往復のほか、桃園へは成田から1日2往復、中部と関西からは1日1往復ずつ運航している。
羽田-松山線の機材は、8月31日までは座席配置の異なる2種類のボーイング777-200ER型機(3クラス236席:ビジネス42席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー154席、または2クラス312席:ビジネス26席、エコノミー286席)を使用。桃園路線は、成田発の1往復のみ787-8(2クラス206席:ビジネス30席、エコノミー176席)で、他はすべて737-800(2クラス144席:ビジネス12席、エコノミー132席)で運航する。羽田-松山線のJL97/98便は、9月1日から運航機材を787-8に変更する。
「季節変動ほとんどない」
30日は台北松山空港で就航60周年式典が開かれ、搭乗口にはJALとJAAの歴代制服を着用した台湾拠点の客室乗務員6人が登場し、セレモニーに華を添えた。羽田行きJL98便(777-200ER、登録記号JA707J)は乗客228人(幼児1人含む)を乗せ、午後2時11分に松山を出発。記念品として、搭乗証明書やマグネット、ボールペンが乗客にプレゼントされた。
JALの国際路線事業本部長の大貫哲也常務によると、台湾路線全体の搭乗率は80%台後半で、季節変動はほとんどないという。日本発と台湾発の比率はほぼ半々で、台湾発の需要はほほ観光需要であるのに対し、日本発はビジネスの需要が高い傾向にあると説明した。
「以前のJALは、最大の需要に合わせて機材計画を立てており非効率だった」と大貫常務は振り返る。現在はより単価の高い乗客を取り込むよう、きめ細かく供給量を調整しており、航空会社としての腕の見せ所だと意気込む。
「需要はいくらでもあるが、どこまで追いかけていくか。フルサービスキャリア(FSC)としてかかるコストに見合った需要に対して、適切な大きさの飛行機を選んで投入することが、エアラインビジネスのキーとなる」(大貫常務)と述べ、いつか来た道に戻らぬよう社内を引き締める。羽田-松山線の機材は座席数の異なる777-200ERを投入しているが、必要であればデイリーでも差し替えるという。
それでも、昨年7月からは実績が前年を割り込んでおり、やや厳しい状況が続く。大貫常務は、「我々は日台路線に特化したJAAの経験が財産。(日台路線が)大きく拡大していくと楽観的なことは言えないが、マーケットと対話してやっていく。必ず我々の活躍の余地があると確信しており、今の形をしっかり先につないでいく」と、次の70周年に向けての抱負を語った。
*写真は21枚。
東京-台北線の運航スケジュール
羽田-台北松山線
JL97 羽田(08:50)→台北松山(11:30)
JL99 羽田(18:15)→台北松山(20:55)
JL96 台北松山(09:10)→羽田(13:10)
JL98 台北松山(14:20)→羽田(18:20)
成田-台北桃園線
JL805 成田(11:10)→台北桃園(14:05)
JL809 成田(18:00)→台北桃園(20:55)
JL802 台北桃園(10:00)→成田(14:25)
JL804 台北桃園(12:50)→成田(17:15)
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