日本航空(JAL/JL、9201)は7月30日、東京-台北線就航60周年記念式典を羽田空港で開いた。羽田を午前8時47分に出発した台北行きJL97便の乗客には、搭乗証明書などの記念品が手渡された。
—記事の概要—
・高単価客の確保課題
・日本アジア航空時代経てJAL便復活
高単価客の確保課題
JALの東京-台北線は1959年7月30日に就航し、現在は羽田-松山線と成田-桃園線を1日2往復ずつ運航している。今年3月21日からは、羽田-松山線の機材をボーイング777-200ER型機に767-300ERと787-8から順次大型化。座席数は3クラス236席で、ビジネス42席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー154席となっている。
JALの台湾路線について、国際路線事業本部長の大貫哲也常務は、「羽田と成田のほか、中部と関西からも台北へ就航しており、成田-高雄線を合わせるとJALの台湾路線は5路線1日7往復。LCCの比率が高く、競争は激しい」と、就航60周年を迎えて気を引き締める。
藤田直志副社長は、「台湾だけではなくアジア路線全体でLCCに乗るお客様が増えており、単価が高いお客様をどうやって増やしていくかは、JALだけではなく日本全体の課題。そうしないと、政府が掲げている1人あたりの消費額も達成できない。地域と連携して日本に来ていただく、チームジャパンとして誘致していくことが大事。いま地方活性化をやっているが、最後には単価が高いお客様の獲得につながると思う」と語り、訪日客に地方都市へ目を向けてもらうことで、JALのようなフルサービス航空会社の利用増加につなげていく考えを示した。
台湾路線の現状について、藤田副社長は「台湾からは圧倒的に観光だが、日本からは観光とビジネスは半々程度。一時期は訪日客が急激に増えて、日本発の(需要に応えるだけの)座席を提供できない時期があったが、今年は日本発が増えている」と述べ、機材の大型化が奏功しているという。
日本アジア航空時代経てJAL便復活
日本政府観光局(JNTO)や台湾交通部観光局によると、2018年の台湾からの訪日客は476万人、日本からの訪台客は197万人で合わせて673万人。2020年までに両国間の往来を800万人に増やす計画だ。
1959年の東京-台北線就航当時は、羽田から台北の松山空港を経由し、香港に向かう路線で、ダグラスDC-6B型機で週2往復運航していた。その後、中国政府が台湾を独立した国家として認めないことから、台湾当局による日台路線停止措置により、1974年4月21日のJL704便を最後にJALは日台路線を休止した。
1975年9月15日からは、完全子会社の日本アジア航空(JAA/EG)が羽田-台北(松山)線をDC-8-53で開設し、日台間の路線が復活。1981年7月15日からは成田-台北(桃園)-高雄線をDC-8-62で就航させ、1988年11月1日からは、747-300を成田-台北(桃園)線に投入した。その後、日本アジア航空は2008年3月31日の台北(桃園)発中部行きEG284便を最後に32年間の運航を終え、翌4月1日から台湾路線はJALによる運航に戻った。
羽田の国際線運航が本格化した2010年10月31日に、JALは羽田-台北(松山)線を767による1日2往復で開設。2017年2月21日からは、台湾のチャイナエアライン(中華航空、CAL/CI)が運航する日台路線全便でコードシェアを始めた。
今年に入り、羽田-松山線の機材を777-200ERに大型化。1日2往復のうち、3月21日から羽田発JL99便と松山発JL96便を767-300ERから777-200ERに、4月7日からは羽田発JL97便と松山発JL98便を787-8から777-200ERに変更した。
30日の羽田発台北行きJL97便(777-200ER、登録記号JA707J)は、乗客230人(幼児1人含む)を乗せて定刻より3分早い午前8時47分に出発。台北の松山空港には現地時間午前10時25分に到着を予定している。
*写真は10枚(写真下に運航スケジュール掲載)。
東京-台北線の運航スケジュール
羽田-台北松山線
JL97 羽田(08:50)→台北松山(11:30)
JL99 羽田(18:15)→台北松山(20:55)
JL96 台北松山(09:10)→羽田(13:10)
JL98 台北松山(14:20)→羽田(18:20)
成田-台北桃園線
JL805 成田(11:10)→台北桃園(14:05)
JL809 成田(18:00)→台北桃園(20:55)
JL802 台北桃園(10:00)→成田(14:25)
JL804 台北桃園(12:50)→成田(17:15)
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