全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)は7月29日、成田-ウラジオストク線を開設すると正式発表した。日本の航空会社がANAは冬ダイヤ期間中の2020年3月、JALは同月29日に始まる夏ダイヤ期間の開設を予定している。
ANA:日本初就航目指す
ANAの国際線でウラジオストクは47番目の就航都市で、同社がロシアへ就航するのは初めて。就航日や運航スケジュール、機材は今後発表する。
機材は小型機を想定しており、エアバスA320neo(2クラス146席:ビジネス8席、エコノミー138席)クラスになるとみられる。就航日は「冬ダイヤ期間中の3月」としていることから、最終日の3月28日までに開設を目指す。実現すると、日本の航空会社では初のウラジオストクへの定期便になる。
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は2022年度までの中期経営計画の中で、国際線は未就航地「ホワイトスポット」への進出を掲げており、ロシアや中東、アフリカ、南米を候補に挙げている。政府がロシア国民に対する短期滞在ビザの発給要件を2017年1月に緩和し訪日需要が旺盛であることや、ウラジオストクは日本からの飛行時間は約2時間半と近く、需要の伸びが期待できると判断した。
JAL:737で毎日運航
一方、JALの成田-ウラジオストク線は週7往復(1日1往復)のデイリー運航で、機材はボーイング737-800型機(2クラス144席:ビジネス12席、エコノミー132席)を使用することが確定済み。「夏ダイヤ開始とともに就航したい」とJALは話しており、早ければ夏ダイヤ初日の2020年3月29日に就航する可能性がある。
運航スケジュールは、ウラジオストク行きが成田を午前11時20分に出発し、午後2時45分着。成田行きは午後4時25分にウラジオストクを出発して、午後5時40分に到着する。
JALのロシア路線は、現在は成田-モスクワ線のみで週7往復運航。過去には新潟-ハバロフスク線を1973年に開設し、運航していた時期もあった。ウラジオストクはチャーターの実績はあったものの、定期便就航は初めてになる。
成田-ウラジオストク線は現在、JALと同じ航空連合「ワンワールド」に加盟するロシアのS7航空(SBI/S7)が、週7往復運航。S7の日本路線はこのほか、ハバロフスク線が週3往復、イルクーツク線とノボシビルスク線が週1往復ずつ、関西-ウラジオストク線が週2往復で、5路線すべてがJALとのコードシェアを実施している。一方、JALが今回開設する新路線は、S7とのコードシェアは未定となっている。
2017年には、アエロフロート・ロシア航空(AFL/SU)と包括的業務提携の覚書を交わしており、ロシア路線を強化している。
日本政府観光局(JNTO)によると、今年1月から6月までのロシアからの訪日客は、前年同期比20.4%増の5万5900人で、30.3%増のベトナムに次ぐ伸び率になっている。
JALの運航スケジュール
成田(11:20)→ウラジオストク(14:45)
ウラジオストク(16:25)→成田(17:40)
関連リンク
全日本空輸
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