フジドリームエアラインズ(FDA/JH)は7月23日、就航10周年を迎えた。10年前に初便が就航した静岡空港では放水アーチで10周年を祝い、社員が横断幕を手に出発便を見送った。また、当日の乗客すべてに記念品を配った。
—記事の概要—
・放水アーチで歓迎
・ビジネスモデル変えず
・静岡から3路線で開始
放水アーチで歓迎
FDAは2009年7月23日に、静岡空港を拠点として就航。大手と競合しない地方と地方を結ぶ路線が特徴で、現在は静岡や小牧などから国内線19路線を運航するほか、多くのチャーター便も手掛けている。
静岡空港では、福岡発JH142便(エンブラエル175型機〈E175〉、登録記号JA08FJ)の到着を放水アーチで歓迎。折り返しとなる札幌(丘珠)行きJH173便の出発を、FDAの社員が就航10周年をアピールする横断幕を掲げて見送った。
また、23日にFDAを利用した乗客には、うちわやポストカードなど、カラフルな機体と10周年のロゴをデザインした記念品を配付。機内サービスでも配られるあめは静岡産茶葉を使用し、飛行機のイラスト入りのものを用意した。
週末となる28日には、航空教室やシミュレーター体験会、バルーンアート教室など、子供向けのイベントを静岡空港で開催する。
ビジネスモデル変えず
FDAの三輪德泰社長は次の10年に向けた抱負について、「地方と地方を結ぶ路線をさらに充実させる」と語った。冬ダイヤが始まる10月27日には神戸への乗り入れを開始し、これまで空白だった関西圏の定期便就航を果たす。
首都圏へ乗り入れず、幹線となる路線がないFDAの路線網には、1クラス84席のE175クラスの大きさが適している。三輪社長は国内の幹線や国際線の就航、機材の大型化などは考えていないと述べ、現時点のビジネスモデルは変えず、FDA独自の戦略を貫く姿勢を示した。
就航当時の機材はE170(1クラス76席)が2機。現在はE170とE175を合わせて14機導入済みで、12月にはE175の新造機2機を受領する。年内に導入する2機のE175は、神戸就航に伴う使用機増加に対応するほか、現在は14機フル稼働となっている機材に対し、予備機とすることを想定しているという。また、新たに導入する機体と入れ替えに、初期導入の機材を予備機とし、燃料消費の少ない新しい機材を中心に活用する。
初期に導入したE170は、FDAで10年間飛び続けている。三輪社長は「飛行サイクルが4万くらいになってくると、後継機を考えないといけない」とし、「そのときにE175でそろえるのか、新しい機材を考えるのか。まだ数年あるのでこれから考えていく」と、今後の機材展開に触れた。
現在はE170型機を3機、E175を11機の計14機保有し、それぞれに異なる塗装を施している。1号機(E170、JA01FJ)はドリームレッド、2号機(E170、JA02FJ)はライトブルー、3号機(E175、JA03FJ)はピンク、4号機(E170、JA04FJ)はグリーン、5号機(E175、JA05FJ)はオレンジ、6号機(E175、JA06FJ)はパープル、7号機(E175、JA07FJ)はイエロー、8号機(E175、JA08FJ)はティーグリーン。9号機(E175、JA09FJ)はゴールド、10号機(E175、JA10FJ)はシルバー、11号機(E175、JA11FJ)はグリーン、12号機(E175、JA12FJ)はホワイト、13号機(E175、JA13FJ)はネイビー、6月24日に小牧に到着した14号機(E175、JA14FJ)はワインレッドを選定している。12月には、E175の新造機となる15号機(予定登録記号JA15FJ)と16号機(同JA16FJ)の2機を受領する計画を進めている。
静岡から3路線で開始
2009年7月23日に運航を開始したFDAは、静岡から初便を就航。他社と競合しない小松と熊本、鹿児島へ乗り入れた。就航初便となったのは小松行きで、当時1日2往復を運航し、熊本と鹿児島はそれぞれ1日1往復ずつの運航だった。
現在、FDAの静岡路線は5都市へ運航。最大便数となる福岡へ1日4往復、札幌(丘珠)は1日2往復、出雲と北九州、鹿児島へは1日1往復を運航している。FDA全体としては16空港へ就航しており、冬ダイヤからは神戸にも乗り入れる。
関連リンク
フジドリームエアラインズ
富士山静岡空港
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