空港で保安検査を実施する係員がスキルを競う「第2回保安検査コンテスト」(主催:国内定期航空保安協議会)が7月9日、羽田空港国際線ターミナルで開かれた。15空港16チームの32人が参加し、成田空港を担当する一般財団法人航空保安事業センターが優勝した。
保安検査コンテストは、2020年に開かれる東京オリンピック・パラリンピックに向け、保安強化と検査品質向上を目指して昨年から実施。搭乗時のチェックイン手続きが簡素化されたことで、乗客が空港で最初に接するのが保安検査を担う警備会社の係員になることが増えていることから、「確実」「迅速」「丁寧」を主な審査基準とし、保安検査業務の技術を競う。全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)など国内の航空会社14社が加盟する、国内定期航空保安協議会が主催した。
今年のコンテストは、昨年より1空港多い全国15空港から、16チームが2人1組で参加。空港の規模を3つに分け、各カテゴリーから5~6空港ずつ選出し、羽田は国内線第1と第2ターミナルから出場となった。参加空港を選出する際は、直近1年間にANAとJALが実施した保安検査場に関するアンケート結果などを基にし、各空港が参加する係員を決めた。
審査は会場に設けられた保安検査場で、実技を実施。各空港の係員2人が案内担当と接触検査担当に分かれ、10分の制限時間内で検査した。乗客役は各航空会社の社員が演じ、日本語が話せない外国人や、急いで保安検査場をすり抜けようとする乗客、機内への持ち込み制限品を持った乗客など、さまざまな乗客が登場した。
また、今年から新たに「モニター業務審査」を加えた。実技審査を終えた各チームの1人が別室に進み、X線検査のモニター画像を見て、機内持ち込み制限品を発見する迅速さや正確さを競った。2人1組の実技審査との合計点で総合評価した。
審査の結果、成田空港を担当する航空保安事業センターの木島亜海(あみ)さんと境裕太さんのチームが優勝。準優勝は宮崎空港を担当する宮崎綜合警備の竹中真奈美さんと山中大門さん、第3位は羽田国内線第2ターミナルを担当するセノンの山本大地さんと中島映子さんのチームとなった。モニター業務審査の最上位者に与えられるモニター賞は、関西空港を担当するジェイ・エス・エスの岩崎一真さんと、総合準優勝だった宮崎空港の竹中真奈美さんが獲得した。
優勝した木島さんは、「現場の仲間にも、今回出場した経験を基にしっかり教育していきたいです」と話し、境さんは「現状に満足することなく、日々仕事に精進してまいります」と決意を伝えた。
閉会式であいさつした、ANAの空港センター長を務める要海昌樹執行役員は、「今回、他社のみなさんのパフォーマンスを見られて、参考になったところもあったのではないかと思います。ぜひそんな“気づき”を持ち帰っていただいて、さらなるスキル向上につなげていただければ」と出場者を激励した。
ほかの参加者の実技を見て、木島さんは「多くのお客様を対応するうち、(先の展開を予想して)お客様の返事を待たずに話を進めてしまうことが自分自身にあったので、しっかり話を聞いてテンポよく案内すると、より丁寧に見えました」と、学んだ点を挙げた。境さんは「車いすのお客様と、目線を合わせることがあまりできていなかったのですが、ほかの参加者を見ていると必要なことだと感じ、今後の業務に取り入れたいです」と話した。
閉会後は、出場者と関係者全員で、「私たちに任せて! 空の安全・安心は! ダイジョーV(ブイ)!!」と声を上げ、安全を誓った。
*写真は17枚。
参加空港のカテゴリー
大規模
羽田(第1、第2)、中部、関西、那覇
中規模
成田、熊本、宮崎、長崎、石垣
小規模
三沢、新潟、富山、出雲、岩国、奄美
関連リンク
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