エアライン, ボーイング, 機体 — 2019年7月4日 11:59 JST

ボーイング、737MAX墜落遺族支援で1億ドル拠出へ

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ボーイングは現地時間7月3日、737 MAXで起きた2件の墜落事故で犠牲となった遺族や地域社会への支援として、総額1億ドル(約108億円)を数年間にわたり拠出すると発表した。

737 MAX墜落事故の遺族支援で1億ドルを拠出するボーイング=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737 MAXは、2016年1月29日に初飛行。最初に墜落した2018年10月29日のライオン・エア(LNI/JT)のJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)事故と、今年3月10日に起きたエチオピア航空(ETH/ET)のET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)事故で、合わせて346人が亡くなった。

 ボーイングは今回の基金について、遺族の教育や生活支援、地域社会の経済発展などに充てるとしており、地方自治体や非営利団体と支援していくという。

 2件の墜落事故は、737 MAXで新たに採用した失速防止システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System(操縦特性向上システム)」が主な要因とみられており、ボーイングはソフトウェアの改修を進めている。一方、ソフトウェアの開発段階から問題があったことなどがブルームバーグなどで報じられており、運航再開時期は明確になっていない。

関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン

ボーイングの動向
パリ航空ショーで安全重視強調、777XやNMAどう乗り切るか 特集・難題と向き合うボーイング(19年6月24日)
ボーイング、パリ航空ショー受注はエアバス下回る 確定発注は737BCFのみ(19年6月20日)
英IAG、737MAXを200機発注へ ウォルシュCEO「数カ月以内の運航再開に期待」(19年6月19日)
737の部品不備、FAAが交換要請 737MAXなど312機対象(19年6月4日)

737 MAX墜落事故
737 MAX、MCASのソフトウェア改修完了(19年5月18日)
737MAX、迎角不一致警告に不具合 17年に判明も対応遅れ(19年5月6日)
737 MAX、迎角不一致警告を標準装備に(19年4月30日)
737 MAX、墜落2件ともMCAS不具合 月産42機に減産へ(19年4月7日)
エチオピア政府、737 MAX墜落で暫定報告書公表 ボーイングにMCAS調査要求(19年4月5日)
マレンバーグ会長「安全はボーイングの核心」 737 MAXソフトウェア改修へ(19年3月20日)
仏事故調、737 MAX墜落「明確な類似性」 エチオピア機とライオンエア機の飛行記録解析(19年3月19日)
737 MAXの墜落調査、仏で開始 エチオピアが米国に不信感、ボーイングは納入停止(19年3月15日)
日本も737 MAX運航停止 国交省、FAA決定受け(19年3月15日)
FAAも737 MAX飛行停止命令 エチオピア機墜落で(19年3月14日)
737 MAX、欧州で飛行停止 EASAが指示(19年3月13日)
墜落のエチオピア航空737 MAX、フライトレコーダーなど回収(19年3月11日)
エチオピア航空の737 MAX墜落か ナイロビ行きET302便(19年3月10日)
ライオンエアの737MAX墜落、迎角センサーに異常か FAAがAD発行(18年11月8日)
ライオンエアの737 MAX墜落 インドネシアLCC大手(18年10月29日)