ベトナムのベトジェットエア(VJC/VJ)は7月1日、ダナン-羽田線を冬ダイヤ初日の10月27日に開設すると都内で発表した。同社の日本路線では5路線目で、羽田就航は初めて。また、経団連(日本経済団体連合会)から会員証を受領した。
—記事の概要—
・初の羽田路線
・JALとの提携、第三国輸送も
・経団連加盟社と協業模索
初の羽田路線
ベトナム中部のダナンは3番目に大きな都市で、世界遺産を持つリゾート地。近年インバウンドとアウトバウンド双方が増加傾向にある。
ダナン-羽田線は1日1往復の深夜便。運航スケジュールは羽田行きがダナンを午後6時10分に出発し、午前1時に着く。ダナン行きは午前2時30分に羽田を出発し、午前6時40分に到着する。
ベトジェットは2011年12月に就航したベトナム初の民間航空会社。ベトナム航空(HVN/VN)に次ぐ同国第2位の航空会社で、日本への定期便はハノイ-関西線を2018年11月8日に開設したのを皮切りに、12月14日にホーチミン-関西線、今年1月11日にはハノイ-成田線を開設した。
7月12日からは、日本4路線目となるホーチミン-成田線を1日1往復で運航を始め、エアバスA321neo(1クラス230席)を投入。これにより、関西空港発着と成田発着が2路線ずつになる。
また、機材面では今年2月にボーイング737 MAXを100機発注するなど、ボーイングとエアバス両社に単通路機を大量発注している。
JALとの提携、第三国輸送も
ベトジェットは2017年7月に、日本航空(JAL/JL、9201)と業務提携に向けた覚書を締結。冬ダイヤ初日となる2018年10月28日からコードシェア(共同運航)を始めた。
JALとの提携について、ベトジェットのグエン・ティ・トゥイ・ビン副社長は、「ベトナム国内線では、ベトジェットのサービスを利用していただくお客様が多い。同じ路線でも、ベトジェットとJALが別の時間帯に運航することで、多様な選択肢を提供できる」と、成果を説明した。
今後については、「ベトジェットのウェブサイトでJALの航空券を購入できるようにしたり、両社が日本やベトナムから他国へ向かう路線も検討していきたい」と、第三国輸送の可能性も示唆した。
経団連加盟社と協業模索
1日は都内でダナン-羽田線の発表と、ホーチミン-成田線の就航を祝う記念式典が開かれ、ベトナムのグエン・スアン・フック首相や、日越友好議員連盟の会長を務める自民党の二階俊博幹事長(衆院、和歌山3区)らが出席した。
フック首相は、「ベトジェットは数年前に設立されたばかりだが、非常に速いスピードで成長を遂げた。経団連への加盟は、ベトナムのビジネス全体にとって大きな布石になった」と語った。
二階幹事長は、「日本とベトナム両国は揺るぎない関係にあり、新路線で交流がさらに深まることに期待したい」と述べた。
また、海外のLCCでは初めて経団連に加盟。ベトジェットのビン副社長は、「航空分野のエコシステムを加盟企業と構築したい」と語り、経団連加盟企業への航空券販売や協業などを検討していくという。
海外の航空会社では、トルコのターキッシュエアラインズ(旧称トルコ航空、THY/TK)が2018年12月に初めて加盟している。
*写真は10枚。
関連リンク
ベトジェットエア
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