MRJ, 機体 — 2019年6月19日 21:06 JST

三菱スペースジェット、北米顧客と覚書締結 15機受注目指す

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 三菱航空機は現地時間6月19日、MRJから改称した「三菱スペースジェット」のうち、70席クラスの「SpaceJet M100(スペースジェットM100)」について、15機の受注に向けて北米の顧客とMoU(覚書)を締結したと、パリ航空ショーで発表した。発注が確定した場合、2024年から引き渡しを始める。

北米からの受注に向け三菱航空機が覚書を締結した三菱スペースジェット=19年6月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 M100は米国市場に最適化した機体サイズで、座席数は3クラス65-76席、最大1クラス88席まで設定できる。「スコープ・クローズ」と呼ばれるリージョナル機の座席数や最大離陸重量を制限する米国の労使協定に準拠した。従来「MRJ90」と呼んでいた「SpaceJet M90」をベースに設計する。

 現在は機体の設計方針を固める「コンセプトスタディ」の段階。ローンチが決定した場合、今年後半に発表する見通し。客室はクラス最大のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)などが特徴になっている。

 三菱航空機の水谷久和社長は、MoU締結について「M100は三菱重工グループとしてはまだ正式にローンチしていないので、今回のMoUはローンチした場合にどういう契約を結ぶか(の協議)を開始するもの」と、位置づけを語った。

 同社ではM100の市場投入は2023年を目指す。

*M100の詳細などを水谷社長に聞きました。インタビューはこちら
*パリ航空ショー出展を終え離陸するM90の記事はこちら
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