ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は現地時間6月17日、2020年度から順次導入を予定している8機のエアバスA320neoと2機のA321LRの計10機について、CFMインターナショナル製のエンジン「LEAP-1A」を選定したと、パリ航空ショーで発表した。LEAPエンジンの発注は日本の航空会社では初めてで、価格表ベースで総額2億9400万ドル(約319億5200万円)相当の契約になる。
ピーチは現在運航している25機のA320ceo(従来型A320)のエンジンもCFM製で、CFM56を採用。今回のLEAP-1Aで同社製エンジンは2機種目となった。A320neoファミリーのエンジンは、LEAP-1Aと米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」の2機種から選べる。
LEAP-1Aは燃費が従来型よりも15%向上。排出ガス中の二酸化炭素(CO2)や窒素化合物(NOx)も削減しており、低騒音化が計られている。
ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)は、「現在運航しているCFM56にトラブルがなく、素晴らしいパフォーマンスを発揮している。もしこの前提が崩れると、(運航品質の点で)アジアNo.1のLCCの座を狙うにあたり、達成できないリスクが予見される」と述べ、低燃費などの性能に加えて、安定した既存エンジンの運航実績が大きく影響したという。
ピーチは2016年11月にA320neoを10機発注し、2018年7月にこのうち2機をA321LRに変更。2020年度から順次受領する。2019年1月29日には、ピーチの親会社であるANAホールディングス(ANAHD、9202)がA320neoを18機発注すると発表しており、この追加分は2021年度から受領する。これらの発注を合わせると、ピーチはA320neoを26機、A321LRを2機導入することになる。
一方、同じくANAHD傘下の全日本空輸(ANA/NH)は、A320neoとA321neo用エンジンとしてPW1100G-JMを選定しており、グループ内で判断が分かれる形となった。
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