MRJ, 機体 — 2019年6月13日 20:20 JST

MRJ、「三菱スペースジェット」に改称 70席クラスは「M100」に

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 三菱航空機は6月13日、開発中のリージョナルジェット機「MRJ」について、三菱スペースジェット(Mitsubishi SpaceJet)に改称すると正式に発表した。標準型のMRJ90(標準座席数88席)は「SpaceJet M90」に、短胴型のMRJ70(76席)は「SpaceJet M100」に、名称をそれぞれ変更する。

MRJを改称した「三菱スペースジェット」(三菱航空機提供)

 旧MRJ70を発展し改称したSpaceJet M100は、米国市場に最適化した機体サイズで3クラス65-76席を設定。1クラス最大88席まで拡張できる。M100は、北米市場に存在する「スコープ・クローズ」と呼ばれるリージョナル機の座席数や最大離陸重量を制限する労使協定に準拠する。

 M100は現在、機体をどのように設計するかを検討する「コンセプトスタディ」を進めている。ローンチが決定した場合、今年後半の発表を見込む。現地時間6月17日に開幕する世界最大規模の航空ショー「第53回パリ航空ショー」で、機内のモックアップを展示する。旧MRJ90を改称したSpaceJet M90は、飛行試験3号機(登録記号JA23MJ)を持ち込む。

 3号機の塗装は、これまでローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)のカラーリングをまとっていたが、スペースジェットの広告などで使用している新デザインにオランダで塗り直した。

 三菱航空機の水谷久和社長は6月7日に、MRJを改称する可能性については、「理解いただけると思っている」と、親会社の三菱重工業(7011)から賛同を得られるとの見方を示していた。

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