エアライン, 空港 — 2019年6月1日 15:59 JST

ピーチ、成田にオペレーションセンター開設へ 冬ダイヤで拠点化

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のピーチ・アビエーション(APJ/MM)は6月1日、乗務員がブリーフィングをする「オペレーションセンター」の準備室を成田空港で開設し、開所式を開催した。関西空港に続き2カ所目となるオペレーションセンターで、ANAHD傘下のバニラエア(VNL/JW)と統合する2019年度内の開設を目指す。

ピーチが成田空港近くで開所したオペレーションセンター準備室=19年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 成田のオペレーションセンターにはパイロットや客室乗務員のほか、地上係員を統括するスタッフら約90人が所属。多くがバニラから転籍した乗務員で、準備室の室長にはバニラなどでパイロットを務めた富永有一機長が就任した。富永室長はオペレーションセンター開設の準備を進める一方、ピーチの機長として乗務を継続する。

 ピーチが準備室を設置したのは、第1ターミナル(T1)近くにある全日本空輸(ANA/NH)の関連施設が入居する「ANA成田スカイセンター」。ピーチがこれまで事務所として使用していた26平米を47平米に拡張した。準備室には、出発前の乗務員がブリーフィングできるスペースを設けた。

 ピーチの成田路線は現在2路線で、関西と福岡に乗り入れている。成田を拠点とするバニラは、ピーチへの路線移管を夏ダイヤ期間で順次進め、夏ダイヤが終了する10月26日で運航を終了する。3月30日に終了した2018年冬ダイヤでは、バニラの成田路線は国内5路線と国際3路線の計8路線。このうち函館線と香港線の2路線を除く6路線をピーチに移管し、今年の冬ダイヤでは既存2路線と合わせ、国内6路線と国際2路線の計8路線を運航する。6月1日には、初の移管路線となる成田-那覇線を再就航した。

 開所式であいささつしたピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)は、所属スタッフに対し「一体感を持って、楽しく働いていただきたい」と語りかけ、チームワークを重視するするよう求めた。バニラとの統合については「ゴールではない。“アジアのリーディングLCC”になるためのプロセス(過程)だ」と述べ、統合後の路線拡大を見据えた。

 富永室長は「身の引き締まる思い。安全運航に向け、センター開設に臨んでいきたい」と述べ、所属するスタッフには「仕事は楽しく。そうすればチームワークが生まれる」と語りかけた。

 ピーチは冬ダイヤが始まる10月27日から、成田空港の拠点化を開始。羽田を含めた首都圏戦略の強化を図る。現在、成田ではピーチがT1、ピーチが第3ターミナル(T3)と、異なるターミナルを使用している。拠点化以降のターミナルについて、井上CEOは「まだ結論が出ていない」と述べるに留めた。今後、T1の継続使用やT3への移転を含め、検討を進める。

ピーチが成田空港近くで開所したオペレーションセンター準備室=19年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ピーチが成田空港近くに設けたオペレーションセンター準備室の開所式に出席する(前列右から)富永室長と井上CEO、角城健次副社長=19年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ピーチの成田空港オペレーションセンター準備室の看板を掲出する富永室長(右)ら=19年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ピーチがオペレーションセンター準備室を開設したANA成田スカイセンター=19年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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