日本航空(JAL/JL、9201)の大貫哲也常務は5月28日、欧米路線用の大型機について、現状よりも座席数の多い機材に否定的な考えを示した。増便による利便性向上を重視していくという。
JALは現在、欧米へ向かう長距離国際線の主力機としてボーイング777-300ER型機を投入しており、後継機にほぼ同じサイズのエアバスA350-1000型機を選定。JALの777-300ERは座席数が4クラス244席(ファースト8席、ビジネス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席)で、A350-1000も250席クラスになるとみられる。
競合の全日本空輸(ANA/NH)は、欧米路線を主眼に777の後継機である777Xを発注済みで、777-300ERよりもやや座席数が増える。また、5月24日には総2階建ての超大型機A380(4クラス520席)を成田-ホノルル線に投入している。
国際線事業を統括する大貫常務は、777-300ERよりも大型の機材について、「もう少し大きくてもお客様はいらっしゃると思うが、1便の器を大きくするよりも、フリークエンシー(頻度)を増やす方が利便にかなうと思う」との見解を示した。
羽田空港の発着枠配分については、「(ロサンゼルス線は)羽田と成田両方やれればハッピーだが、(配分が決まる)半年後のお答えとさせていただきたい」と述べるにと留めた。
777-300ERやA350-1000よりも大きい旅客機について、A380の製造中止を決めたエアバスのギヨム・フォーリCEO(最高経営責任者)は、500席クラスの機体は「市場の需要が小さい」と述べ、現時点で計画がないことを明らかにしている。
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日本航空
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