エアライン, 空港 — 2019年5月13日 17:06 JST

スカイマーク佐山会長、神戸増枠「貴重な一歩」 24時間・国際化求める

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 スカイマーク(SKY/BC)の佐山展生会長は5月13日、地元自治体などで合意に至った神戸空港の規制緩和について、歓迎する意向を示した。

神戸空港を離陸するスカイマークの737-800=19年5月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 自治体や国土交通省航空局(JCAB)、地元財界などが議論する「関西3空港懇談会」(座長・松本正義関西経済連合会会長)は11日に大阪市内で開いた会合で、神戸空港の規制緩和で合意。運用時間を、現在の午前7時から午後10時までの15時間から1時間延長し、午後11時までの16時間に拡大するほか、現在の1日60便(30往復)の発着枠を、20便増やし80便(40往復)に増加させる。増枠や時間延長の開始時期は未定。

 佐山会長は関西地域への訪日客が増加している現状を踏まえ、より多くの訪日客を迎えるには「関西空港を拡張するか、神戸空港の規制を緩和するしかない」と述べ、伊丹を含めた3空港の将来的な機能強化を求めた。今回の合意については「これまでなかなか踏み出せなかった。貴重な一歩だ」とし、評価する姿勢を示した。

 スカイマークの神戸路線は7路線で、1日22往復運航している。この中で最も多いのが羽田便で、7往復運航している。佐山会長は規制緩和後の羽田-神戸線増便について、「羽田発の神戸便を増便することは、羽田発のほかの便を減らすことになる」とし、羽田の発着枠の適正配分を求めた。

神戸空港の規制緩和を歓迎する意向を示すスカイマークの佐山会長=19年5月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 神戸空港の規制緩和を「3空港と関西地域全体にメリットがある」とした佐山会長は、最終的には神戸の24時間化と国際化を求めた。国際化が実現した場合はアジアなどに就航したい考えを示し、「関空のお客さんを取ろうとは思っていない。3空港共存が前提だ」と力説した。

 スカイマークは現在、ボーイング737-800型機(1クラス177席)を27機保有。年内に2機追加受領し、29機体制を構築する。増機分を含め「神戸を重点的に活用する」とした佐山会長は、「増枠分を他社が不要なのであれば、スカイマークですべて使いたいくらいだ」と笑いながら述べた。

 神戸空港の現在の発着枠は1日60便(30往復)で、スカイマークが22往復、全日本空輸(ANA/NH)とソラシドエア(SNJ/6J)、エア・ドゥ(ADO/HD)が計8往復。スカイマークは羽田へ7往復、札幌と長崎、那覇へ3往復ずつ、仙台と茨城、鹿児島へ2往復ずつ乗り入れている。

 ANAは羽田へ2往復、札幌へ1往復運航。ソラシドエアは那覇へ3往復、エア・ドゥは札幌へ2往復運航し、両社ともANAとコードシェア(共同運航)している。

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