米国のトランプ大統領は4月15日夜(日本時間)、墜落事故が相次いだボーイング737 MAXのリブランド(改称)を自身のTwitterで提言した。
トランプ大統領は、「私はブランディングについて何も知らないかもしれないが(しかし私は大統領になった!)、もし私がボーイングの立場であれば、737 MAXを改修し、いくつかの素晴らしい機能を加え、そして飛行機の名前を変えるだろう。これほど打撃を受けた製品はかつてなかった」とTwitterに投稿した。
737 MAXは、2016年1月29日に初飛行。最初に墜落した2018年10月29日のライオン・エア(LNI/JT)のJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)事故と、3月10日に起きたエチオピア航空(ETH/ET)のET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)事故は、フライトレコーダー(DFDR)を解析する中で事故原因の類似性が指摘されてきた。
ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼CEO(最高経営責任者)は今月5日に、737 MAXの墜落事故は2件とも機体を制御する「MCAS(操縦特性向上システム)」に不具合があったことを認めた。また、今月中旬から737の製造を一時減産し、これまでの月産52機を同42機に落とす方針を明らかにしている。
同社の2019年1-3月期(第1四半期)の民間機全体の引き渡しは、前年同期比35機(19.02%)減の149機、受注は85機(47.22%)減の95機だった。各月の引き渡しを見ると、1月が46機(前年同月44機)、2月は49機(同49機)、3月は54機(同91機)と、737 MAXの引き渡しが停止した3月は、納入機数が前年の59.34%にとどまった。3月の納入54機のうち737は23機(同66機)で、この中で737 MAXは11機だった。
3月末時点で737 MAXファミリーの受注は5012機で、387機が引き渡し済み。一方、エアバスのA320neoファミリーは737 MAXの1.3倍にあたる6504機を受注しており、731機を引き渡している。
関連リンク
Donald J. Trump
Boeing
ボーイング・ジャパン
737 MAX墜落事故
・737 MAX、墜落2件ともMCAS不具合 月産42機に減産へ(19年4月7日)
・エチオピア政府、737 MAX墜落で暫定報告書公表 ボーイングにMCAS調査要求(19年4月5日)
・マレンバーグ会長「安全はボーイングの核心」 737 MAXソフトウェア改修へ(19年3月20日)
・仏事故調、737 MAX墜落「明確な類似性」 エチオピア機とライオンエア機の飛行記録解析(19年3月19日)
・737 MAXの墜落調査、仏で開始 エチオピアが米国に不信感、ボーイングは納入停止(19年3月15日)
・日本も737 MAX運航停止 国交省、FAA決定受け(19年3月15日)
・FAAも737 MAX飛行停止命令 エチオピア機墜落で(19年3月14日)
・737 MAX、欧州で飛行停止 EASAが指示(19年3月13日)
・墜落のエチオピア航空737 MAX、フライトレコーダーなど回収(19年3月11日)
・エチオピア航空の737 MAX墜落か ナイロビ行きET302便(19年3月10日)
・ライオンエアの737MAX墜落、迎角センサーに異常か FAAがAD発行(18年11月8日)
・ライオンエアの737 MAX墜落 インドネシアLCC大手(18年10月29日)
日系企業の737 MAX動向
・ANA、737 MAX発注継続へ 片野坂社長「対策できれば方針変えず」(19年4月1日)
・737 MAX事故、スカイマーク後継機選定に影響も 佐山会長「ないわけではない」(19年3月18日)
・ANA、737 MAX 8日本初導入へ 最大30機(19年1月29日)
・日系リース会社JIA、737 MAXを10機確定発注(17年8月26日)
事故後キャンセル
・ガルーダ、737 MAX注残キャンセルへ 49機、ボーイングと交渉(19年3月24日)
類似不具合も
・737 MAX、サウスウエスト航空でも類似不具合 手動操縦で回避(19年3月26日)
737 MAX、376機納入
・737 MAX、1年10カ月で376機納入 受注はエアバス優位、ボーイング「安全性に自信」(19年3月14日)
日本への乗り入れ
・737 MAX、日本に5社17路線 737-800で継続(19年3月19日)
737 MAX 8初飛行
・初代737から半世紀経た新型機 写真特集・737 MAX、シアトルで初飛行(16年2月2日)