ピーチ・アビエーション(APJ/MM)との統合を予定しているバニラエア(VNL/JW)は、運航しているエアバスA320型機の一部をピーチ仕様に改修する。4月12日には改修初号機となるA320(旧登録記号JA04VA、現登録記号F-WHUE、MSN6257)が、マレーシアでの改修に向け成田を離れた。改修後はピーチ機(新登録記号JA04VA)として拠点となる関西空港に“再来日”し、7月からピーチ路線に投入する見込み。
—記事の概要—
・操縦席と客室改修
・5月から段階的に路線移管
操縦席と客室改修
改修初号機となるJA04VAは、2014年9月28日に成田へ到着した新造機の4号機。同年10月1日に運航を開始し、以降4年6カ月近くバニラ機として運航してきた。バニラは当時A320を3機運航していたが、いずれも2013年10月まで運航していた旧エアアジア・ジャパン向けの機体として準備が進められていたもの。4号機はバニラ仕様の内装を取り入れた初号機だった。
4月12日の離日便は機体製造番号にちなみ、AIB6257便として運航。午後3時ごろ801番駐機場を出発し、改修地のクアラルンプールには現地時間同日午後10時30分に到着する見込みで、フェリーフライト(回航)はエアバスのパイロットとスタッフが担当した。バニラの社員有志約40人が出発を見送ったほか、ピーチの副社長を兼務するバニラの森健明副社長も駆けつけた。
機体をクアラルンプールにあるエアバス・グループ系の整備会社セパン・エアクラフト・エンジニアリングに持ち込み、操縦席のアビオニクスをピーチ仕様に統一。客室内もピーチのものに改修するほか、現地でピーチのデザインに塗り替える。バニラは改修初号機となったJA04VAを含め、現在15機を保有している。改修対象となる機体は10数機となる見通し。改修には1機につき2カ月半程度かかる見込みで、段階的に改修を進める。改修終了は年度内を予定している。
5月から段階的に路線移管
ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下に属するバニラは、今年の夏ダイヤが終了する10月26日で運航を終了。同じくANAHD傘下のピーチと統合する。機材のほか、路線も統合を進める。
3月30日に終了した2018年冬ダイヤでは、バニラは国内線7路線と国際線6路線の計13路線を運航。このうち成田-函館線と那覇-石垣線の国内2路線と、成田-香港線の国際1路線を順次廃止し、残りの国内・国際5路線ずつ計10路線を、5月から段階的にピーチへ移管する。
廃止3路線のうち最も早く廃止したのが函館線で、バニラは3月30日の運航を最後に函館から撤退。那覇-石垣線と成田-香港線の2路線は、5月31日の運航を最後に廃止となる。
関連リンク
バニラエア
ピーチ・アビエーション
Sepang Aircraft Engineering
成田-函館が最初の廃止路線
・バニラエア、函館撤退 ピーチへの統合開始(19年3月30日)
改修初号機となったJA04VA
・バニラエア、新仕様機が就航 新造4号機(14年10月1日)
3月1日に“結婚式”
・ピーチ、バニラと”結婚式” なんばで就航7周年祭、ファンイベント初開催(19年3月1日)
特集・井上CEOに聞くピーチ/バニラ統合
後編 「ワイドボディー導入も検討」(18年12月30日)
前編 「成田は中期的に拡大」(18年12月28日)
ピーチとバニラ
・ピーチ、リクライニング済みレカロシート公開 初シャークレット付きA320(19年3月23日)
・ピーチ、利用者投稿の情報サイト 小ネタ募集で旅行気軽に(19年2月16日)
・バニラエア、最後の就航記念日 井上社長、ピーチ統合後「ゲームチェンジャーに」(18年12月20日)
・バニラのA320、操縦席をピーチ仕様に 3月めどに改修へ(18年12月20日)
・バニラ、19年10月で終了 既存10路線ピーチに、函館など3路線廃止(18年12月17日)
・ピーチ、札幌-ソウル19年4月就航へ バニラ運休で3路線再開(18年12月17日)
・ピーチとバニラ、那覇新ターミナルに移転 19年3月から供用開始(18年12月12日)
・バニラエア、新社長にピーチ井上CEO 統合向け役員体制変更(18年10月23日)
・ANA、ピーチへバニラ統合 本社一部を東京へ、中距離LCC進出(18年3月22日)
・ピーチ、初の制服リニューアル 就航6周年、機能性向上(18年3月1日)
・ANAホールディングス、ピーチを子会社化 片野坂社長「独自性維持する」(17年2月24日)