全日本空輸(ANA/NH)のエアバスA380型機の初号機(登録記号JA381A)が3月21日、成田空港に到着した。総2階建ての超大型機で、日本の航空会社がA380を受領したのは初めて。5月24日から成田-ホノルル線に投入する。
—記事の概要—
・空飛ぶウミガメでハワイへ
・放水アーチで歓迎
空飛ぶウミガメでハワイへ
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、A380の新造機3機を発注したと2016年1月29日に発表。すべて成田-ホノルル線に投入する。初号機が週3往復で5月に就航後、7月1日から2号機(JA382A)を投入し、週10往復に拡大。最後の3号機(JA383A)は、2020年度に受領を計画している。
座席数は4クラス520席で、ANAのホノルル線では初のファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席。エンジンはロールス・ロイス製トレント900を採用した。Wi-Fiを使った機内インターネット接続サービスや電源コンセントなども備える。
ファーストは日本初のドアを備えた個室型シートを採用し、ビジネスは家族やカップルが隣同士で座れるペアシートを設けるほか、エコノミー後方には日本の航空会社初となるカウチシート「ANA COUCHii」を導入する。
「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」と名付け、全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施す。初号機が青(ANAブルー)、2号機が深緑(エメラルドグリーン)、3号機がオレンジ(サンセットオレンジ)と、1機ごとに色が異なるデザインが採用された。
放水アーチで歓迎
現地時間20日に引き渡された初号機は、成田へ向かうフェリーフライトのNH9398便としてトゥルーズのブラニャック空港を20日午後4時21分に出発し、同43分に離陸。成田には午後0時51分にA滑走路へ着陸し、同58分に807番スポット(駐機場)へ到着した。到着時には、空港の消防車による放水アーチで歓迎を受けた。
ANAHDの片野坂真哉社長は、「12時間のフライトは機内が静かだった。乗った瞬間からハワイを感じていただける」と、A380の静粛性とハワイらしさを演出する機内をアピールした。
フェリーフライトの操縦を担当したANAのフライトオペレーションセンター品質企画部の古川理機長は、導入準備からA380に関わってきた。「A320のパイロットは45日間で移行できる。コックピットの高さは慣れる必要があるが、A320の操縦技術が通用する機体」(古川機長)と、エアバス機同士の機種移行のしやすさを語った。
A380は現在、世界14社が232機を120路線で運航。ANAは15社目の運航会社となる。一方、エアバスはA380の引き渡しを2021年で終了すると2月14日に発表した。2月末時点の受注残は56機で、残る引き渡し先はA380最多発注のエミレーツ航空(UAE/EK)とANAHDの2社のみとなる。
ANAはA380就航に伴い、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)に自社ラウンジを新設。ファーストクラスがあるアッパーデッキ(2階席)へ直接搭乗できるようにする。
ANAはホノルル路線に現在、ボーイング787-9型機(3クラス246席:ビジネス40席、プレミアムエコノミー14席、エコノミー192席)を投入しており、同路線のシェアを現在の15%から、A380が全機そろう2020年度以降は25%へ引き上げを目指す。
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関連リンク
#hawaii24(ANAの特設サイト)
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