エアライン, 空港 — 2019年3月18日 08:58 JST

那覇LCCターミナル、開業6年5カ月で幕　ピーチが最終便、新施設へ移転

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　ピーチ・アビエーション（APJ/MM）とバニラエア（VNL/JW）は3月17日、那覇空港で2012年10月から6年5カ月にわたり使用してきた「LCCターミナル」からの運航を終えた。18日からは、新ターミナル「際内連結ターミナル施設」へ移転し、モノレール駅や駐車場などから直接向かえるようになった。

＊新施設の記事はこちら。

那覇空港のLCCターミナルで撤収作業を進めるピーチの社員＝19年3月17日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

—記事の概要—
・シャトルバス不要に
・貨物施設を改修

シャトルバス不要に

　那覇のLCCターミナル最終到着便は、ピーチの福岡発MM289便（エアバスA320型機、登録記号JA816P）。福岡を午後7時52分に乗客175人（幼児1人含む）を乗せて出発し、那覇へ午後9時37分に到着すると、同社の井上慎一CEO（最高経営責任者）や地上係員らが到着客を出迎えた。

那覇空港のLCCターミナルを最後に出発する乗客を見送るピーチの井上CEOら＝19年3月17日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

　18日に開業した際内連結ターミナル施設は、那覇空港の国内線と国際線の両ターミナルビルの間に新設。2社のカウンターは、国内線と国際線ともに新施設の3階へ移った。

　これまでのLCCターミナルは貨物エリア内にあり、国内線ターミナルからシャトルバスでのみアクセスできた。際内連結ターミナル施設へは、国内線や国際線のターミナルと同様、沖縄都市モノレールの那覇空港駅をはじめ、バスやタクシー、自家用車などで直接向かえる。

　ANAホールディングス（ANAHD、9202）傘下のピーチとバニラは、2019年度末を目処に統合する。ピーチの井上CEOが社長を兼務するバニラは、夏ダイヤ最終日の10月26日で運航を終え、統合作業は最終段階に入る。

　両社の那覇路線は、国内線4路線と国際線5路線の合わせて9路線。このうち、ピーチは最初の那覇路線となる関西線を、LCCターミナル開業日の2012年10月18日に就航させた。2014年2月10日からは国際線もLCCターミナル発着となり、同年7月19日には本拠地の関西空港次いで機体を夜間駐機できるよう、那覇を第2拠点化した。現在の那覇発着は6路線で、国内線2路線と国際線4路線を運航している。

　バニラは、同社が就航した2013年12月20日に成田－那覇線を開設。那覇発着は国内線2路線と国際線1路線の計3路線となっている。前身となる旧エアアジア・ジャパン時代も、成田－那覇線を運航していた。

貨物施設を改修

　17日に最終日を迎えたLCCターミナルは、ANAが借り受けている貨物ターミナル内の一部施設を、約4億円かけて旅客用に改装したもの。建物は天井が高い平屋造りで、目前にスポット（駐機場）があるため、待合室から飛行機までは徒歩で移動。手荷物の扱いもベルトコンベアを使用しない構造を採用し、設備投資を抑えた施設だった。