3月30日に下地島空港のターミナルを開業する下地島エアポートマネジメント(沖縄・宮古島市、SAMCO)は16日、ターミナルの竣工式典を開催した。式典には国や沖縄県などの行政関係者など、約400人が出席した。
—記事の概要—
・リゾート感演出のターミナル
・リピーターを新たな観光地へ
・94年以来の定期便
リゾート感演出のターミナル
宮古島市に属する下地島と宮古島は、伊良部大橋を経由して陸路でつながっている。下地島空港と宮古空港とはおよそ20キロ離れている。ターミナルは「みやこ下地島空港ターミナル」と命名し、宮古域内に属することをアピールする。
ターミナルは“空港からリゾートはじまる”をコンセプトとし、建物は窓を大きく開けて風の通り道を作ることで、リゾート感を演出。屋根には木材を使用し、コンクリート製のものよりも断熱性を高めた。
ターミナルを運営するSAMCOは三菱地所(8802)が設立。三菱地所の吉田淳一社長はターミナルについて「リゾート地にふさわしく整備できた」と自信をのぞかせ、「宮古島はすでに世界屈指のリゾート地。下地島空港にも国内外から多くの方が来ていただけると確信している」と述べた。
リピーターを新たな観光地へ
開業日となる3月30日には、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が約24年ぶりとなる定期便を開設。成田から週4往復乗り入れ、初日から4月8日までと、30日から5月6日までのゴールデンウイークは1日1往復運航する。ジェットスターは7月3日から関西-下地島線を開設するほか、同月19日からは、LCCの香港エクスプレス航空(HKE/UO)が香港から週3往復での乗り入れも計画している。
式典に参加した香港エクスプレス航空のコマーシャル・ダイレクター、ジョナサン・ハット氏によると、香港からの訪日客はリピーターが多いという。下地島就航により、新たな観光地への誘客を目指したいと述べた。今後は既存の石垣線などと合わせ、島々を巡る“アイランドホッピング”なども展開したいとした。
週3往復での開設となったことについては「香港国際空港の発着枠を、3枠のみ確保できたため」と説明。今後、さらに獲得できれば増便を検討する意向を示した。
94年以来の定期便
下地島空港は1979年7月5日に開港。地方管理空港で、滑走路は3000メートル×60メートル(RWY17/35)が1本、スポット(駐機場)は大型機用が5つ、中型機用が1つ、利用時間は午前8時から午後7時30分まで。
島全体が空港用地となっており、国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されてきたが、日本航空(JAL/JL、9201)が2011年度まで、ANAが2013年度までで撤退している。2017年には、バニラエア(VNL/JW)が訓練を実施した。
定期便は、1994年7月22日に日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が那覇-下地島線を運休して以来、乗り入れていない。
関連リンク
みやこ下地島空港ターミナル
香港エクスプレス航空
ジェットスター・ジャパン
15日に内覧
・下地島空港ターミナル、30日開業 “風通し”でリゾート演出(19年3月15日)
就航路線
・ジェットスター・ジャパン、関空-下地島7月就航へ 片岡社長「訪日客も送客したい」(19年3月12日)
・下地島空港、香港エクスプレスが7月就航 初の国際線(19年2月21日)
・ジェットスター、下地島へ3月30日就航 ターミナル開業と同時、24年ぶり定期便(18年11月15日)
下地島空港
・下地島空港、開港前に見学会 ツアー限定、3月25日に(19年2月18日)
・下地島空港、ターミナルが19年3月開業 ジェットスターが定期便(18年10月16日)
・三菱地所、下地島空港の旅客ターミナル着工 19年開業、LCCやビジネスジェット誘致へ(17年10月12日)
・三菱地所、下地島空港に旅客ターミナル 18年5月開業、LCCやプライベート機誘致(15年12月28日)
・バニラエア、下地島でパイロット訓練開始(17年10月14日)