英IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ)は現地時間2月28日、傘下のブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)向けにボーイング777Xを最大42機購入する方針を発表した。18機が発注、24機がオプション(仮発注)で、いずれも777-9となる。
777Xはボーイングが開発中の次世代大型機で、今回の契約はカタログ価格で総額186億ドル(約2兆715億円)。ボーイングの受注リストには、最終確定後に反映される。BAは、「ジャンボ」の愛称で親しまれている747-400などの後継機として導入する。
BAは現行機の777も約60機運航しており、2018年には777-300ERを4機オペレーティング・リースで追加発注している。大型機は777-300ERのほか、エアバスA350型機を18機発注済みで、747-400は2023年に退役する見込み。
777Xはメーカー標準座席数が3クラス350-375席の777-8と、400-425席の777-9の2機種で構成。航続距離は777-8が8700海里(1万6110キロ)、777-9は7600海里(1万4075キロ)を計画している。日本の製造分担割合は、777と同じ主要構造部位の約21%となる。
エンジンは、米GE製GE9Xを2基搭載。翼は炭素繊維複合材を用いて軽量化するとともに、777の主翼よりも長くなることから、翼端を折りたためるようにして、777が現在乗り入れている空港に就航できるようにする。生産は2017年に開始し、初飛行は今年、初納入は2020年を予定している。
今回の発表で、777Xの受注とコミットメントの獲得数は、8顧客から計358機となった。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が、777-9を20機確定発注。2021年度から受領する見通し。
関連リンク
ブリティッシュ・エアウェイズ
IAG
Boeing
ボーイング・ジャパン
777X
・777X、窓16%大きく ボーイングが客室イメージ公開(19年1月29日)
・ボーイング、777Xのビジネスジェット 地球半周、最長の航続距離(18年12月10日)
・777X飛行試験機、胴体の結合完了 20年納入へ(18年11月21日)
・777X、地上試験機ロールアウト 強度検証へ(18年9月12日)
・GE9Xが初飛行 777X向け、推力10万ポンド(18年3月20日)
・777X、787並み機内与圧と湿度実現へ 貨物型も(18年3月15日)
・ボーイング、777Xの仕様策定 17年生産開始へ(15年8月28日)
・777X、日本企業5社が正式契約 21%製造(15年7月23日)
・ANA、777-9XとA321neoなど70機正式発注 16年度から受領(14年7月31日)
・ボーイング777Xの分担比率21% 現行777踏襲(14年6月12日)
ブリティッシュ・エアウェイズ
・BOAC塗装の747、ヒースロー到着 ブリティッシュエアが復刻(19年2月19日)
・ブリティッシュ・エア、777-300ERを3機リース導入へ(18年7月23日)
・ブリティッシュ・エア、747の改修完了 全18機(16年8月5日)
・IAGとブリティッシュ・エア、A350-1000を18機発注へ 長距離線に投入(13年4月23日)