1月30日の関西-台北線、2月1日の中部(セントレア)-台北線と、日本と台北を結ぶ新路線を相次いで開設したエアアジア・グループ。関西線はグループで中距離路線を担うエアアジアX(XAX/D7)が、中部線はセントレアを拠点とするエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)が運航する。
グループの日本路線は、関西空港発着が最多。今回の台北就航によりクアラルンプールとバンコク(ドンムアン)、ホノルルを合わせて4路線になった。
関空以外は、羽田がクアラルンプール、成田がバンコク、新千歳がクアラルンプールとバンコクから就航。福岡へは2月28日からクアラルンプール、中部(セントレア)が新千歳とバンコク、2月1日就航の台北と続く。バンコク路線はタイ・エアアジアX(TAX/XJ)、中部-新千歳線と台北線はエアアジア・ジャパンの運航で、残りはすべてエアアジアX便となる。
エアアジアXの機材はエアバスA330-300型機で、座席数は2クラス377席(プレミアム・フラットベッド12席、エコノミー365席)。後継機には、ロールス・ロイスが開発した新型エンジン「トレント7000」を採用したA330neoのうち、標準型のA330-900を選定している。
来日したエアアジアXのベンヤミン・イスマイルCEO(最高経営責任者)に、関西-台北線就航の狙いや、関空から米国西海岸への路線の計画などを聞いた。
—記事の概要—
・西海岸「次のステップに」
・中部からも西海岸へ
西海岸「次のステップに」
── なぜ今関西-台北線を開設しようと考えたのか。
イスマイルCEO:クアラルンプール-関西線が成功していることと、(グループの路線が多く就航する)台湾が大きなマーケットだからだ。台北線をポジティブに見ており、さらにエアアジアのブランドを大きくしていくことも考えていきたい。
── エアアジアXにとって、台北はどういう位置づけなのか。
イスマイルCEO:台北は関空とともに、われわれのハブ空港だ。ブランドを浸透させるため、関空も台北も重要な空港だ。
── 関西-ホノルル線はどのように捉えているか。
イスマイルCEO:非常に重要な路線だ。安くホノルルへ行けることは、業界に衝撃を与えた。大阪でもエアアジアのブランド価値が高まってきている。
一方で、(競合で関西-ホノルル線を運休する)スクート(TGW/TR)はまだまだだと言えるだろう。
── 関空からの北米路線はどのように考えているか。
イスマイルCEO:A330neoが来年からデリバリーされるので、西海岸を次のステップとして考えている。現行のA330では飛べないが、A330neoでサンフランシスコやロサンゼルスへの就航を検討したい。
中部からも西海岸へ
── A330neoとA350では、どちらがエアアジアXの戦略に適しているのか。
イスマイルCEO:かつて発注していたA350は、すべてA330neoに切り替えた。長距離路線をローコストで飛ぶとなるとA330neoを念頭に置いており、A350は考えていない。
── A330のエコノミークラスが1列9席で、日本人には狭い印象だ。
イスマイルCEO:確かに狭いが、コストを抑えることにつながっている。一方、クワイエットゾーンはゆったりしてもらえるし、プレミアムフラットシートは1列7席で、余裕がある。
シートの種類が増えると複雑になり、他社でも難しくなってきているようだ。
── 日本路線は今後どのように発展させていきたいか。
イスマイルCEO:ほとんどの主要都市を網羅していると考えている。タイ・エアアジアXのバンコク線と、われわれのホノルル線は成功しており、エアアジア・ジャパンが拠点を置く中部もそうだ。中部からはロサンゼルスやサンフランシスコへの就航も検討している。
一方で、羽田は発着枠の問題がある。
── インドネシア・エアアジアX(INX/XT)が日本から撤退した。
イスマイルCEO:バリ(デンパサール)-成田線は、日本人が9割だった。ジャカルタ-成田線はいろいろな航空会社が参戦しているので厳しい。バリと成田はうまくいっていたが、火山の影響が大きかった。
── 関西-台北線の日本人と台湾人の比率は。
イスマイルCEO:85%が台湾人だ。日本人も足を運んで欲しいが、現状では台湾人の利用が多い。
── 台北にはエアアジア・ジャパンも就航する。
イスマイルCEO:エアアジア・ジャパンの中部-札幌線はうまくいっており、台北就航はひとつのステップになる。ブランド力が大事なので、日本国内で向上していくことが重要だ。
関連リンク
エアアジア
エアアジア・グループ
・エアアジアX、関空-台北就航 参入9社目、イスマイルCEO「市場に刺激与える」(19年1月31日)
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エアアジア・ジャパン
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