全日本空輸(ANA、9202)は2月28日、4月1日からの持ち株会社制へ移行後の経営体制を発表した。既存のANAブランドと、ANAが出資する低コスト航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(APJ)やエアアジア・ジャパン(WAJ)との棲み分けを明確にし、運航を手がける各事業会社がブランドごとの業務を行いやすくする。ANAグループ全体の経営方針は持ち株会社「ANAホールディングス(HD)」が決定する。
ANAHDの社長には伊東信一郎社長(62)が、会長には現ANA会長の大橋洋治氏(73)が就任。グループ経営を担う機能に特化し、120人程度のコンパクトな体制で運営する。資本金は2313億8100万円。
傘下の事業会社は現社名を引き継ぎ「全日本空輸」とする。社長には篠辺修副社長(60)が昇格し、会長は伊東社長が兼務する。事業会社のANAは航空事業運営に特化し、グループ経営に関わる業務は行わない。また、間接業務の極小化を進め、スリムな体制を目指す。現ANAから事業会社へ移る人数は、2012年12月現在の数字で約1万3700人。資本金は100億円で、今後増資が行われる見込み。
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全日本空輸
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