フィンエアー(FIN/AY)は2月4日、週2往復で12月に開設予定のヘルシンキ-札幌(新千歳)線について、北海道庁で会見を開いた。欧州からのスキー客をはじめ、日欧双方で利用拡大を狙う。欧州系航空会社で札幌へ就航するのは同社のみで、日本の就航地では5カ所目。また、札幌と欧州を結ぶ路線は17年ぶり。
—記事の概要—
・19年冬ダイヤ期間のみ
・「札幌の粉雪すばらしい」
・KLM以来の欧州路線
19年冬ダイヤ期間のみ
同社は現地時間12月15日に、ヘルシンキ-札幌線を開設する。エアバスA330-300型機を投入し、ヘルシンキ発を木曜と日曜の週2往復運航。札幌発は翌日となる。現段階では2019年冬ダイヤ期間のみの運航で、3月27日のヘルシンキ発が最終となる。
運航スケジュールは、札幌行きAY65便がヘルシンキを午後5時5分に出発して、翌日午前9時に着く。ヘルシンキ行きAY66便は午前11時35分に札幌を出発し、午後2時10分に到着する。
フィンエアーは1983年4月22日に、ヘルシンキ-成田線を開設。当時は東西冷戦の最中で、ソビエト上空を飛行できず、米アラスカ州アンカレッジ経由が主流だった。同社は北極回りで日本に乗り入れ、西欧では初となる日本への直行便となった。今年で日本就航36年を迎える。
札幌線は日本5都市目の就航地。現在は成田空港と関西空港、中部空港(セントレア)、福岡空港へ就航しており、欧州の航空会社では日本路線がもっとも多い。日欧間では日本航空(JAL/JL、9201)とブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)、イベリア航空(IBE/IB)と共同事業(JV)を展開している。
「札幌の粉雪すばらしい」
フィンエアーのミッコ・トゥルティアイネン グローバルセールス担当副社長は、「36年前の就航以来、日本は戦略的な市場。フィンランド国外では最大だ」と述べ、今後の成長に期待感を示した。
北海道では近年、ニセコ町などのスキーリゾートが欧州で人気が高まっている。トゥルティアイネン副社長は、欧州でのスキー需要が高まっていることから札幌就航を決定したとし、「札幌にはすばらしい粉雪がある。季節運航ではあるが、魅力的だ」と語った。通年運航や増便の可能性については、2020年3月までの運航実績で見極めたいとした。
フィンエアーは2014年4月から、JALとJVを展開している。ヘルシンキ-札幌線もコードシェア(共同運航)の対象路線で、JAL便名を付与する。JAL北海道地区の山崎賢太郎支配人は、フィンエアーの札幌就航について「(札幌就航には)JVを展開するJALの合意が必要となる。同路線は、JALとしても需要があると判断した」と述べた。
2018年9月に発生した胆振東部地震により、北海道の訪日客が減少傾向にあった。現在の訪日客について山崎支配人は「ずいぶんと盛り返してきている、と認識している」と述べ、欧州からの直行便就航により「訪日に弾みがつく」とした。
北海道の高橋はるみ知事は、「北海道は日本で欧州にもっとも近い。地の利を活かしたい」と述べ、日本と欧州の双方向での往来拡大に期待を寄せた。同路線の就航により、観光のほか、文化やスポーツなどで交流拡大を見込む。北海道は従来、アジア各国を中心に売り込んできた。今後は欧州をはじめとした、全世界への売り込みを強化する姿勢を示した。
KLM以来の欧州路線
札幌への欧州路線は、KLMオランダ航空(KLM/KL)のアムステルダム線以来、17年10カ月ぶりとなる。
KLMは1997年10月29日から2002年1月31日まで、札幌を経由して名古屋(現・県営名古屋空港)へ乗り入れていた。当初は週2往復を、ボーイング747-400型機で運航。2001年3月28日からは週4往復に増便し、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-11型機に機材を変更していた。
運航スケジュール(19年12月15日から20年3月27日)
AY65/JL8300 ヘルシンキ(17:05)→札幌(翌日09:00)運航日:木日
AY66/JL8301 札幌(11:35)→ヘルシンキ(14:10)運航日:月金
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