ボーイングは現地時間1月23日、電動有人試験機の初飛行試験が完了したと発表した。米バージニア州マナサスで行われた飛行試験では、電動垂直離着陸(eVTOL)機が垂直離陸して空中に浮揚し、垂直着陸した。
飛行試験を行ったeVTOL機は、ボーイングの子会社オーロラ・フライト・サイエンシズが設計と開発を担当。長さ9.14メートル、幅8.53メートルで、航続距離は最長80.47キロメートルになる。効率的な浮揚と前進飛行を実現するため、推進システムと翼を機体に統合した。
都市間での空の革新的な移動手段を提唱するボーイングの新部署ボーイング・ネクストは、オーロラとともに新しいオンデマンド型の空の輸送手段実現を目指す。
今回の試験では、機体の自律機能と地上制御システムの性能も確認。今後の飛行試験では、垂直離陸から前進飛行への移行、固定翼を使った前進飛行が含まれる。ボーイングによると、これらの試験が高スピードの垂直離着陸機にとって、技術的にもっとも重要な関門となるという。
ボーイングでは電動有人機のほか、電動無人貨物機も研究中。最大227キログラムまでの貨物を運べるもので、昨年屋内の初飛行試験を完了しており、今年は屋外での飛行試験を計画している。
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Boeing
ボーイング・ジャパン
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