エアバス, エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2019年1月13日 13:17 JST

「空港使用料滞納は別問題」インドネシア・エアアジアX、14日で成田撤退

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 中距離LCCのインドネシア・エアアジアX(INX/XT)が、1月14日の成田発デンパサール行きXT404便を最後に成田発着の定期便から撤退する。今後は不定期のチャーター便に切り替える見通しだ。一方、読売新聞が1月8日の夕刊で報じた成田空港の空港使用料滞納は運休と無関係とし、すでに半額の支払いを終えているという。

 INXは、最初の路線となるデンパサール(バリ島)-成田線を2017年5月24日に週4往復で開設。翌6月からは週7往復(1日1往復)に増便した。その後、2路線目のジャカルタ-成田線を2018年5月1日に1日1往復で開設したが、9月30日の成田発便を最後に就航から5カ月で運休し、デンパサール線のみとなっていた。機材は両路線とも、エアバスA330-300型機(2クラス377席:ビジネス12席、エコノミー365席)だった。

—記事の概要—
半額は支払済み
台北から訪日客運ぶ

半額は支払済み

成田の空港使用料を滞納したインドネシア・エアアジアX。半額は支払い済みだという=17年5月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 読売新聞の報道によると、INXは成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)に対し、空港使用料を数億円滞納。14日で日本路線から撤退することから、支払いを受けられるか不透明だと報じていた。

 エアアジア・グループの広報担当者によると、滞納額のうち半額は2018年末までに支払い済みで、残りも支払スケジュールをINXがNAAに対して提示し、了承を得ているという。

 また、滞納によりPBB(搭乗橋)が利用できないと報じられた点については、運航スケジュールが成田の混雑時間帯にあたり、後から就航したためPBBがもともと使えない状況だったと説明している。

 一方、別の関係者はAviation Wireの取材に対し、NAA側が滞納を理由にPBB使用を拒んだと語った。NAAの広報担当者は滞納問題について、「個別の契約についてはコメントできない」と話している。

 日本からの定期便撤退については、ジャカルタを拠点としてインドネシア国内線を中心に運航するインドネシア・エアアジア(AWQ/QZ)との路線再編などによるもので、「空港使用料の滞納とデンパサール線撤退は別問題」(エアアジア広報)だという。

 エアアジア広報によると、INX以外のグループ各社の運航は通常通りで、日本国内で同様の問題は起きていないと強調した。

台北から訪日客運ぶ

インドネシア・エアアジアXのA330の機内=17年5月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 INXは、バリ島やジャカルタと成田を結ぶ初のLCCとして就航。インドネシア・エアアジアのコマーシャル・ディレクター、リファイ・タベリ氏はジャカルタ-成田が就航した際、「80%の搭乗率でブレークイーブン」と語っていたことから、グループ内での再編以外に収益面で厳しい戦いを強いられていたとみられる。このため、日本への定期便からは撤退し、チャーター便に活路を見いだすようだ。

 13日午後1時現在、14日の成田線最終便の片道運賃はデンパサール(バリ島)発のエコノミークラスが3万2096円から、上級クラス「プレミアムフラットベッド」は完売。成田発は2万8394円からで、上級クラスは7万6256円からで残り2席となっている。

 グループでは今後、1月30日にエアアジアX(XAX/D7)が台北-関西線を週4往復で開設し、2月1日からエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)が初の国際線となる中部(セントレア)-台北(桃園)線を1日1往復で就航させる。関西線は既存のクアラルンプール-台北線を台湾からの以遠権で延伸するもので、台北に集まったグループ便を使う訪日客を運ぶ。

 また、エアアジアXはクアラルンプール-福岡線を2月28日から週4往復で就航予定。東南アジアからの訪日客を主要ターゲットに路線を増やし、日本からの利用者も拡大を目指す。

14日最終便の運航スケジュール
XT403 デンパサール(01:25)→成田(09:35)
XT404 成田(10:50)→デンパサール(17:55)

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