リージョナルジェット機「MRJ」を開発中の三菱航空機は12月21日、国土交通省航空局(JCAB)から「飛行試験確認書」を受領したと発表した。これにより、JCABのパイロットが機体の安全性などを審査する、TC飛行試験(型式証明飛行試験)を開始できるようになった。JCABによると、2019年1月下旬ごろに、MRJの米国での飛行試験拠点であるモーゼスレイクで実施を予定しているという。
MRJは、社内飛行試験を実施しているMRJ90(標準座席数88席)と、短胴型のMRJ70(76席)の2機種で構成。今回TC飛行試験を実施するのはMRJ90で、JCABでは第1弾として、エンジンの空中での再始動やAPU(補助動力装置)の機能確認などを確認する。その後も準備が整った試験項目から、TC飛行試験を実施し、安全性や信頼性、環境基準に対する適合などを検証していく。
三菱航空機の水谷和久社長は、19日に開いた会見でTC飛行試験について、「すぐに始められる体制だが、何月とは申し上げられない」と、JCAB側の判断次第との見方を示していた。
MRJの納期は、5度の納入延期により2020年半ばを目指す。当初は2013年だったが、その後2014年4-6月期、2015年度の半ば以降、2017年4-6月期、2018年中ごろとずれ込んでいった。エンジンは米プラット&ホイットニー(PW)が開発した「PW1200G」を採用しており、低燃費や低騒音を売りにしている。
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