2019年は、日本の航空会社が初めて就航させる機体が相次ぐ。全日本空輸(ANA/NH)が総2階建ての超大型機エアバスA380型機を5月に就航させるほか、ボーイング787型機の長長胴型となる787-10も日本の航空会社では初めて受領する。日本航空(JAL/JL、9201)も、エアバスの最新鋭機A350 XWBを国内線から順次就航させる。
いずれの機体も、低騒音や低燃費が売りのひとつとなっており、新型エンジンや空力特性の改善でこれらを実現している。そして、上記の3機種はすべてロールス・ロイス(RR)製エンジンを採用している。
このほど来日したRRのウォーレン・イーストCEO(最高経営責任者)が、Aviation Wireの単独インタビューに都内で応じた。イーストCEOは、2014年にRRの社外取締役に選任され、2015年7月にCEO就任。RR入社前は、入社前はアーム・ホールディングスで2001年から2013年までCEOを務めた。2014年には。エンジニアリングとテクノロジーへの貢献が認められ、大英帝国勲章司令官(CBE)を授与されている。
イーストCEOに、787用エンジン「トレント1000」の改修状況や、11月に引き渡しが始まったばかりのA330neoに採用されたトレント7000、A380用トレント900の後継をはじめ、新型エンジンなど今後の動向や、日本企業に求めるものを聞いた。
—記事の概要—
前編
・ANAは優先事項
・A380neo「機が熟しているかも定かではない」
後編
・3軸から2軸、電力へ
・中小企業は長期的視野で
ANAは優先事項
―― 787用トレント1000の改修はどのように進んでいるか。
イーストCEO:非常に大きな問題だが、2つに分けて考えている。ひとつはANAについて、もうひとつはグローバル市場についてだ。
トレント1000は全世界に600基ほどある。エンジン内に耐久性にかかわる
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