旭川空港の国際線ターミナルが11月22日、オープンした。初便は日本航空(JAL/JL、9201)のチャーター便(ボーイング787-8型機、登録番号JA843J)で、ホノルルから乗客156人を乗せて午後1時16分に到着した。23日から25日までは開業イベントを開く。
—記事の概要—
・初便はホノルル発チャーター
・就航率99.5%、北海道の真ん中
初便はホノルル発チャーター
旭川空港は旭川市が管理する地方管理空港で、1966年6月30日に旭川市と東神楽町にまたがる丘陵地帯に開港。2016年に開港50周年を迎えた。滑走路は1本(RWY16/34)で、当初は1200m×30mだったが、1982年11月25日に2000m×45mに延長し、1997年2月1日に現在の2500m×60mになった。
現ターミナルは2000年5月29日に完成。初の国際線定期便は、2006年6月8日に就航したアシアナ航空(AAR/OZ)のソウル-旭川線だった。これまで国際線は、ターミナル北側の一部を改修した国際線施設を利用して運航していた。しかし、待合スペースが狭く、急増する訪日客の受け入れが難しくなってきたことから、2016年2月にターミナル南側を増築し、国際線ターミナルとすることが決まった。
22日にオープンした国際線ターミナルは地上2階建てで、2017年10月3日に着工し、今年10月29日に引き渡された。延床面積は6773平方メートルで、国内線が乗り入れる既存施設と合わせると、延床面積は増築前の約1.5倍となる2万300平方メートルになった。
国際線ターミナルは、家具が名産である旭川らしさを表現するため、内装に木を用いたり、外観は家具を想起させるものとなった。保安検査を受ける前の一般エリアは、1階と2階ともに国内線側と往来できる。1階は、チェックインカウンターや到着口、案内カウンター、外貨両替機、携帯電話のSIMカード自販機などがそろう。コインロッカーはスーツケースが入る大型のものも備え、飲み物の自動販売機は一カ所に集約した。
2階は出発口のほか、既存の物販店7店が移転し、クラフトギャラリーやキッズコーナー、祈祷室などを設けた。物販店には、北海道の銘菓やラーメンなども揃う。制限エリア内には免税店を設け、2019年1月29日にはラウンジも開業を予定している。国内・国際線合わせて6つある搭乗口のうち、国際線は5番と6番を使用。このうち5番は国内・国際線兼用で、6番が国際線専用となる。
22日の開業記念式典で、ターミナルを運営する旭川空港ビルの社長を務める旭川市の西川将人市長は、「これまでのターミナルは国際線の受け入れを想定していなかったため、改修して対応してきたが、安全性を含めて問題のある施設だった。新ターミナルは年間50万人の受け入れが可能で、旭川の魅力や『きた北海道』の魅力を発信し、多くの皆さんが周遊する拠点となるよう育てたい」とあいさつした。
国際線ターミナルを最初に利用したのはJALのチャーター便で、ホノルル発旭川行きJL8815便。乗客156人を乗せ、ホノルルを現地時間21日午前9時35分に出発し、旭川には午後1時16分に5番スポット(駐機場)へ到着した。到着100人目の家族には、JALの地上係員から記念品がプレゼントされた。
就航率99.5%、北海道の真ん中
旭川空港では今後、ターミナル改修を続ける。2019年1月に国際線ラウンジなどが開業するほか、5月下旬には3階に大雪山や滑走路を眺めながらビールとジンギスカンが楽しめる「ジンギスカンデッキ」を秋までの季節営業でオープンする。国内線の制限エリア内には、カード会社のラウンジが6月に新設され、7月には1階到着口近くにセブンイレブンが開業する。
一連の施設改修を終えて、ターミナルがグランドオープンする9月には、これまで国際線施設や有料待合室などがあった場所に、旭川ラーメンなどを楽しめるフードコート「空市」を新設する。
新千歳空港や旭川など北海道7空港は、2020年度をめどに一体運営による民営化を予定。旭川は民営化前に施設改修を終えることで、利用者により魅力的な空港を目指す。
旭川市の西川市長は、「2017年度の就航率は99.5%。キャッチコピーとして『就航率99%の安心』、呼称として『北海道の真ん中・旭川空港』を決めた。就航率の高さや、北海道の真ん中にあることを世界に発信していきたい」と、意気込みを述べた。
写真特集・旭川空港国際線ターミナル開業
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旭川空港
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