エアライン, 空港 — 2018年10月22日 18:12 JST

仙台空港、新旅客施設「ピア棟」公開　村井知事「空港会社ができない部分で協力」

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　仙台空港を運営する仙台国際空港会社は10月22日、新旅客搭乗施設「ピア棟」を報道関係者に公開した。冬ダイヤが始まる28日から供用を開始し、すべての航空会社が利用できる。

仙台空港会社が公開したピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ピア棟について説明する仙台空港会社の岩井社長＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　2017年9月1日に着工したピア棟は、既存ターミナル西側に増築する形で整備。当初計画では平屋だったが、機体を牽引するトーイングカーなど、グランドハンドリング（地上支援）車両が建物の下を通過できるように変更し、徒歩ゲート部分を2階建て、バスラウンジ部分を3階建てにした。名称の「ピア」は英語で桟橋（さんばし）や波止場を意味する。

　建築面積は3061.72平方メートル、延床面積は5949.07平方メートルで、工事費は約20億円。搭乗ゲートは5カ所で、徒歩ゲートが3カ所、バスゲートが2カ所となり、待合スペースや事務室なども備える。設計は日建設計で、施工は空港会社に出資する前田建設工業（1824）の東北支店が担当した。

　仙台空港の搭乗ゲート数は現在、国内線用が5カ所、国内国際共用が1カ所、国際線用が3カ所の計9カ所。ピア棟の開業で、国内線用徒歩ゲートが3カ所とバスゲートが1カ所の計4カ所増え、合わせて13カ所になる。搭乗口番号では、A2とA3、8、9、10番がピア棟となる。

仙台空港ピア棟のお披露目で祝辞を述べる宮城県の村井知事＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　共用ゲートは現在、国内線用として運用していることから、国内線用は現在の6カ所から10カ所に増える。朝や夕方など発着便が集中する時間帯でも、新規就航や増便が可能になる。

　ピア棟の搭乗ゲートと駐機場の間には、伸縮式の屋根付き通路「エプロンルーフ」を設置。雨でもぬれずに搭乗できるようにする。

　搭乗口付近には、コンセントや充電用USB端子を備えたテーブルや木製ベンチなどを設けたほか、黄緑色やオレンジ、水色など、これまでの旅客ターミナルよりはカジュアルな内装に仕上げた。

　仙台空港会社の岩井卓也社長は、「LCCの急成長や機材の小型化、多頻度運航など、航空市場は動向が変わってきている。ローコストなターミナルだが、それでも大きな投資だった」と語った。「ピア棟は民営化当初からの計画。発着案内も刷新し、コードシェアや優先搭乗の案内なども対応できるようにし、より見やすくする」と説明。

　「冬ダイヤからはタイガーエア台湾（TTW/IT）週2往復から5往復に増え、花巻空港に就航している週2往復と合わせると、台北と東北がデイリー運航で結ばれる。東北の交流人口拡大に貢献したい」と抱負を述べた。

　宮城県の村井嘉浩知事は、「民営化の成果が着実に現れている。空港間の競争が激化しているが魅力的な施設で新路線誘致に弾みがつくと期待している。24時間運用化に向けて地元と話し合いを進めており、ピア棟では小さすぎると言わせたい」と熱く語った。

　また村井知事は「ピア棟には県の税金が一円も使われていない。ビジネスジェットを使う富裕層の呼び込みなど、今後はCIQ（税関・入管・検疫）の整備といった、空港会社ではできないことを県としてやっていきたい」と述べ、空港会社と二人三脚で東北の活性化につなげていく姿勢を示した。

＊写真は11枚。
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