企業, 機体 — 2018年10月19日 10:40 JST

IHI、航空機エンジン整備の新拠点 19年稼働、鶴ヶ島に

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 IHI(7013)は10月18日、民間航空機用エンジンの整備工場を埼玉県鶴ヶ島市に建設するため、埼玉県と土地売買契約を締結したと発表した。2019年内の稼働開始を目指し、航空機エンジンのMRO(整備・修理・分解点検)事業を強化する。IHIが生産拠点を新設するのは、1998年に開設した相馬事業所(福島県相馬市)以来21年ぶり。

IHIが鶴ヶ島に建設する間航空機用エンジン整備の新拠点(同社提供)

IHIが鶴ヶ島に建設する間航空機用エンジン整備の新拠点(同社提供)

 対象となるエンジンは、エアバスA320ファミリー向けのIAE(インターナショナル・エアロ・エンジンズ)製V2500と、A320neoファミリー向けの米プラット・アンド・ホイットニー社製PurePower PW1100G-JM、エンブラエル170(E170)などリージョナルジェット機向けのGE製CF34。いずれも現在は瑞穂工場(東京都西多摩郡)で整備を行っている。

 IHIはこれまで、航空機用エンジンの分解や洗浄、検査、部品修理、組立、試運転といった整備に必要な全工程を瑞穂工場で実施。新拠点建設後は作業を分担し、大規模な施設が必要な試運転は瑞穂工場で行う。

ANAのA321neo初号機のエンジンPW1130G-JM=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 V2500やPW1100G-JMなど、IHIは民間航空機用エンジンの国際共同開発事業に主要パートナーとして参画してきた。今後もエンジン需要の拡大が見込まれることから、新拠点建設を決めた。

 新拠点では、高度なものづくりシステムにIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの新技術を導入。瑞穂工場との連携で、一貫したサービスを提供する。関越自動車道の鶴ヶ島インターチェンジが近く、空港へのアクセスも良いことから、国内外の航空会社に対して、より短い工期でのサービス提供を目指す。

 IHIによると、新拠点の敷地はMROを中心とした事業に使用予定。部品修理や研究施設なども、2019年から2020年にかけて建設を検討していくという。

関連リンク
IHI
IHIエアロスペース

IHI
IHI、XF9-1を納入 戦闘機用エンジンのプロトタイプ(18年7月4日)
IHI、GEnx部品が累計1000台達成 787と747-8向け(15年9月29日)
震災で流されたエンジン教材に ANAとIHI、仙台で復旧ボランティア(15年9月23日)
FAA、PW1100G-JMの型式承認 A320neo用エンジン(14年12月22日)
IHI、A320neo向けエンジンの新工場建設へ PW1100G用部品生産(14年4月28日)
IHI、GE90向け部品出荷2000台達成 777向けエンジン(14年10月22日)

PW1100G-JM
低燃費大型エンジンは直径2メートル 写真特集・ANA A321neo初号機(外観編)(17年9月10日)
新型エンジンで低燃費低騒音 写真特集・ANA A320neo初号機就航(3・終)(16年12月30日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post
キーワード: