10月12日にオープンを控える、中部空港(セントレア)のボーイング787型機を展示する複合商業施設「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームス)」。開業1週間前となる5日は報道関係者向けに先行公開し、前日の11日には、関係者や来賓を招いて記念式典を開いた。
館内には、ボーイング787-8型機の飛行試験初号機「ZA001」(登録番号N787BA)を設置。体験型コンテンツを提供する有料の展示エリアと、飲食や物販などの16店舗が入居する、無料の商業エリアで構成する。展示エリアは「Flight Park(フライトパーク)」、商業エリアは「Seattle Terrace(シアトルテラス)」と命名した。
本特集では、このうち有料エリアのフライトパークを取り上げる。フライトパークでは、9種類の体験型コンテンツを、チームラボ(東京・千代田区)がプロデュースしたデジタル映像などを使い展示。4階建ての館内のうち、1階と4階が有料エリアとなる。
*写真は26枚。
*商業エリアの特集はこちら。
Fly with 787 Dreamliner
「Fly with 787 Dreamliner」(フライ・ウィズ 787ドリームライナー)は787-8の実機と館内空間を使用した、映像と音のショー。床や機体に、クジラや花火、滑走路などのデジタル映像を投影する。1階から4階に続く階段を上がると、機体を見下ろすことができる。
Boeing Factory
「Boeing Factory」(ボーイングファクトリー)は、米シアトル郊外にあるボーイングのエバレット工場を再現。787が完成する過程をデジタル映像で紹介する。
Paper Plane Music Field
「Paper Plane Music Field」(奏でる!紙ヒコーキ場)は、紙飛行機をレーザーの中で飛ばすアトラクション。レーザーは板のようなレイヤー(層)になっており、レイヤーを突き破るようにして紙飛行機を飛ばす。
飛んだ航跡によって音が鳴ったり、レーザーの形や色が変化する。
Sketch Airplane
「Sketch Airplane」(お絵かきヒコーキ)は、自分でデザインした機体がドーム空間を飛び回るコンテンツ。紙に描いた機体をスキャンし、タブレットで操縦する。
Airline Studio
「Airline Studio」(エアラインスタジオ)では、航空会社の仕事を体験できる。機内サービスなど、客室乗務員らの仕事をバーチャル体験する。
ZA001 Flight Deck
「ZA001 Flight Deck」(ZA001コックピット)では、初号機のコックピットを公開。一度に10人近く見学できるが、コックピットは透明の板で間仕切りしているため、操縦席に座ることはできない。
787 Dreamliner Explorer
「787 Dreamliner Explorer」(歩いて集める飛行機図鑑)は、スマートフォンアプリを使ったコンテンツ。機体の回りを歩きながらパーツを探し、役割を学ぶ。パーツをすべて集めると、787の図鑑が完成する。
The Museum of Flight Learning Center
「The Museum of Flight Learning Center」(シアトル航空博物館ワークショップ)は、シアトル航空博物館の「STEM(ステム)」教育を、工作や実験を通じて体験できる。
STEMとはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をつなげたもので、理工系人材を育成する教育として世界各国で取り入れられている。
787 Simulator
「787 Simulator」(787シミュレーター)では、コックピットを再現したシミュレーターを操作。インストラクターが指導して操縦に挑戦する。入場料のほか、別途料金が必要となる。
Boeing Store
1階で営業するボーイングストアでは、ボーイングのオフィシャルグッズを販売。現在米国で14店舗を展開しているが、Flight of Dreamsの開業に合わせ、米国外では初出店する。
米国直輸入のグッズなど500点を販売するほか、菓子やぬいぐるみなどのオリジナルグッズも用意する。このほかモデルプレーンや、機体で使用した部品を再利用した商品も取り扱う。
有料の展示エリアを見学後に利用できる動線としつつ、無料の商業エリア利用者も入店できるようにする。
展示エリア1200円
Flight of Dreamsは、中部空港会社が整備を進めている新ターミナルビルの近くに建設。地上4階建てで高さ24メートル、建築面積は6500平方メートル、延床面積は1万1000平方メートルとなる。
展示エリアの入場料は、大人(中学生以上)が1人1200人、20人以上の団体の場合は同1100円。子供(3歳から小学6年生)は1人800円、団体は同700円で、3歳未満は無料となる。
シミュレーターは、5分の写真撮影コースが1組1080円。15分間操縦する体験コースは3240円で、このほか30分や60分コースも用意する。
営業時間は、展示エリアが午前10時から午後5時で、最終入場が午後4時30分。土曜日のみ最終入場が午後6時30分となり、午後7時まで営業する。入場無料の商業エリアも午前10時からで、物販店は午後6時まで、飲食店は午後10時まで。
関連リンク
Flight of Dreams
中部国際空港 セントレア
Boeing
ボーイング・ジャパン
特集・中部787施設Flight of Dreams
商業エリア編 翼の下で食事できる スタバなど16店舗、シアトル再現(18年10月11日)
Flight of Dreams
・セントレア787施設、オープン記念式典 友添社長「集客のマグネットに」(18年10月11日)
・セントレアの787施設、内部先行公開 12日開業「Flight of Dreams」(18年10月5日)
・セントレアの787体験施設、前売券21日発売 10月開業「Flight of Dreams」(18年9月19日)
・セントレアの787施設、操縦席展示 ボーイングストアでオリジナルグッズ(18年8月20日)
・セントレアの787施設、10月開業 Flight of Dreams(18年8月10日)
・重さ100t強!787が宙に浮く 初号機ZA001をジャッキアップ、中部空港Flight of Dreams(18年3月4日)
・3500人に見守られ一般道横断 写真特集・787初号機Flight of Dreamsへ大移動(17年12月19日)
・787初号機がセントレアの道路横断 Flight of Dreamsが18年8月開業(17年12月17日)
・中部787展示施設、スポンサーにANAとJAL 18年夏開業「Flight of Dreams」(17年12月4日)
・セントレア、787展示施設の起工式 18年夏開業へ(17年4月27日)
・セントレア、ペインフィールド空港と提携 787日米ゆかりの地(17年4月15日)
・中部の787展示施設、シアトルのビールレストラン出店 スタバも(17年1月27日)
・セントレアの787展示施設、18年夏開業へ 米国外初のボーイングストア常設(16年11月9日)
・セントレアの787初号機ZA001、17年度に展示へ 商業施設を整備(16年3月31日)
ZA001
・787初号機ZA001、セントレアで贈呈式 公開時期は未定(15年7月7日)
・歴史的な787初号機、セントレアで余生 写真特集・ZA001中部到着(15年6月23日)
・787初号機ZA001、セントレア到着 故郷へ里帰り(15年6月22日)
・787試験初号機、シアトル出発 セントレアへ(15年6月22日)
・ボーイング、中部空港に787試験初号機寄贈へ(15年6月17日)