エアバス, エアライン, 機体 — 2018年10月3日 15:26 JST

A321LR、EASAとFAAから型式証明取得 単通路機で世界最長飛ぶ

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 エアバスは現地時間10月2日、単通路機では世界最長の航続距離を誇るA321LR型機が、EASA(欧州航空安全局)とFAA(米国連邦航空局)から型式証明を取得したと発表した。

EASAとFAAから型式証明を取得したA321LR=PHOTO: Sylvain RAMADIER/Airbus

 A321LRは、新型エンジンを採用したA321neoの航続距離をさらに伸ばした長距離型。最大離陸重量(MTOW)を97トンに引き上げ、3個目の中央燃料タンクを追加することで、航続距離を単通路機では世界最長となる約7408キロ(4000海里)に延長した。この場合の座席数は、206席を想定している。

 型式証明の取得により、従来は2個までだった燃料タンクが最大3個の搭載まで認められ、エンジンが1基停止しても洋上飛行が一定時間可能な「ETOPS(イートップス)」運航が可能になる。A321LRでは、新燃料管理システムを導入し胴体下部構造を強化した。

 また、今回の型式証明では、胴体構造の改良と新しいドア配置によるオプション「エアバス・キャビン・フレックス(Airbus Cabin Flex)」が承認された。キャビン・フレックスは、2020年ごろからA321neoの新造機引き渡しで標準仕様になるという。

 日本の航空会社では、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が今年7月に開かれたファンボロー航空ショーで、A321LRを2機発注。2020年10-12月期に初号機を、2020年度内に2機目を受領し、片道7時間程度となる東南アジア方面の国際線を中心に投入する。

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エアバス・ジャパン
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