9月6日に最大震度7を記録した北海道胆振東部地震の影響で閉鎖された新千歳空港は、8日に国際線ターミナルも運用を再開した。航空機の発着は再開したものの、地震の影響で従業員の確保や物資輸送が通常通りにできないことから、商業施設は当面休業する。
6日午前3時8分に発生した地震の影響で、新千歳空港と周辺では停電が発生。国内線ターミナルは7日午前10時、国際線ターミナルは8日午前6時に開館し、運航再開に向けて動き出した。一方、航空会社のラウンジなどは窓ガラスが割れたり、床に亀裂が入るなどの被害が出ており、全面復旧には時間がかかりそうだ。
地震の影響による大手2社の欠航は、全日本空輸(ANA/NH)では、7日は新千歳や釧路、女満別などを発着予定だった国内線67便が欠航。約1万900人に影響が出た。8日は新千歳の発着便など国内線20便の欠航が決定し、約1300人に影響が及ぶ見通し。
日本航空(JAL/JL、9201)では、7日は新千歳や帯広、女満別などを発着予定だった国内線42便が欠航。約6390人に影響が出た。8日は新千歳を午前予定だった国内線7便が欠航し、約1240人に影響が及んだ。
そのほかの航空会社でも、北海道内を発着する便に欠航が発生した。
新千歳の国内線ターミナルは、7月31日にリニューアル工事を終えたばかり。航空各社も多額の費用をかけてラウンジを刷新したが、当面は運航の正常化が最優先となる。
国内線のリニューアル後は、国際線ターミナルを増築。チェックインカウンターや保安検査場、搭乗橋(PBB)などを拡張するとともに、海外の富裕層をターゲットとした高級ホテルを新設する計画で、旅客用施設を2019年8月に開業し、2020年3月末までの完成を目指す。地震の影響で、スケジュールを一部見直す可能性も出てきそうだ。
また、国土交通省航空局(JCAB)は、新千歳や女満別、旭川など北海道内7空港について、2020年度までに民営化する計画を進めており、新たな運営会社は2019年7月をめどに選定する。
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