ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は8月29日、成田-高知線と関西-高知線を年内に開設することを発表した。また、国際線は他のLCCとの提携を検討する。
—記事の概要—
・地元支援と潜在需要
・国際線「好きな時間に飛ばせない」
地元支援と潜在需要
成田空港を拠点とするジェットスター・ジャパンは、22機のエアバスA320型機(1クラス180席)で国内17路線、国際9路線の計26路線を運航。9月6日に成田-長崎線を開設し、10月27日には関西-熊本線を再開する。機材は年内に23号機と24号機を受領して24機体制となり、高知へ就航することで国内線を拡充する。
国内線のうち四国は現在2路線で、2013年6月に成田-松山線、同年12月に高松線を開設している。ジェットスター・ジャパンの片岡優社長は、高知就航について、「新路線を成功させる上で、自治体の支援が非常に大事。高知県や高知空港にかかわる関係者による熱い支援、サポート体制を確認できた」と語った。
「東京と高知の航空需要は年間100万人で、関西と高知は年間30万人。高知にはLCCが就航していないが、これだけ需要がある。旅行やVFR(親族訪問)など新たな需要を低運賃で創出できる」(片岡社長)と自信を示した。
また、関西と高知については、「鉄道とバスの需要が年間60万人だが、片道4時間から5時間かかる。飛行機なら40分から50分で着くので、我々は便を張りやすく、ネットワークを作りやすい」と、潜在需要に触れた。
国際線「好きな時間に飛ばせない」
一方、国際線での他社との提携について、片岡社長は日本航空(JAL/JL、9201)が2020年に就航を計画している中長距離LCCとの連携は否定した。
「国際線は発着枠の問題があり、こちらが好きな時間に就航地へ飛ばすことができない。(すでに就航している)台北も上海もマニラもそうで、これ以上増便できない」と、片岡社長は国際線の現状を説明。発着枠を持つ地元LCCとパートナーシップを築くことが、現実的な選択肢であるとの考えを示した。
片岡社長は、「インバウンドが旺盛で、国際線のほうが客単価も高くなるかもしれないが、(需要に)アップダウンがあるマーケットだ。外的要因があると、一気に需要がなくなる可能性もある。しっかり国内線のネットワークを確保して、日本での認知度を上げて、安定した需要を長期的に取り組むほうが、ビジネスとして安定するではないか」と語った。
ジェットスター・ジャパンの国際線は現在9路線。成田からは台北とマニラ、香港、上海の4路線、関西から台北とマニラ、香港の3路線、中部から台北とマニラの2路線を運航している。
また、今回検討している提携は、ジェットスター航空(JST/JQ)などの自社グループ以外とのパートナーシップとなる。
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