三菱重工業(7011)と三菱航空機は現地時間7月18日、3日目を迎えたロンドン近郊で開かれているファンボロー航空ショーで、リージョナルジェット機「MRJ」の2回目となるフライトディスプレー(飛行展示)を行った。初日の飛行展示後、機首をけん引車にぶつけられたことで2日目は中止となったが、応急処置で復帰した。
18日は午後3時24分(日本時間同日午後11時24分)ごろ、ローンチカスタマー(初期顧客)である全日本空輸(ANA/NH)のカラーリングを施した飛行試験3号機(登録番号JA23MJ)が離陸。会場上空で翼を左右に大きく振りながら静粛性など飛行性能をアピールし、午後3時31分(同午後11時31分)ごろに着陸した。
会場に持ち込んでいるMRJは、ショー初日の16日に飛行展示を終えた際、三菱側が現地で委託している業者がMRJを駐機位置へけん引している際、機体にけん引車が接触。機首の一部が損傷した。2日目の17日は飛行展示はキャンセルしたものの、機体補修用のテープなどで応急処置を施し、安全性が確認できたため、18日の飛行展示を実施した。
三菱航空機の水谷久和社長は、応急処置について「補修するものを現地調達するのが、だいぶ大変だったようだ」と語った。当初は18日がMRJの飛行展示最終日となる予定だったが、予備日の19日にファンボロー最後の飛行展示を予定しているという。
ANA塗装の飛行試験3号機は、昨年開かれた世界最大の航空ショー「パリ航空ショー」でも地上展示された機体。この時がMRJの航空ショーデビューで、パリに次ぐ規模のファンボローで初の飛行展示を終え、航空機市場に実質的なデビューを果たした。ファンボローは19日までが業界関係者が来場するトレードデー(商談日)で、20日から22日まで一般公開される。
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