日本航空(JAL/JL、9201)の整備子会社JALエンジニアリング(JALEC)は7月2日、航空機に搭載するAPU(補助動力装置)の点火装置から、放射性物質が漏えいしたと発表した。放射線量を測定したところ、人体や周辺環境に影響のない値であることを確認したという。国の原子力規制委員会は同日、「事故報告事象」に該当するとして、同社による原因究明や再発防止策を確認していくことを発表した。
JALECによると、2日午前11時ごろ、成田空港内にある同社の作業室内で発生。作業者1人が、ボーイング767型機に搭載するAPUの点火装置(Ignition Exciter)を整備していた際、機能試験時に動作しなかったことから内部を確認したところ、放射性物質が充てんされた円柱形のガラス容器のふたが外れていたという。
容器に密閉されていた放射性物質は、約108キロベクレルのクリプトン85。自然界に存在する線量値は0.05-0.08μSv/hで、確認直後に測定された値は、部品周囲と保管室内ともに0.08-0.10μSv/hだったという。
JALECによると、整備作業前にはふたが閉まっていたことを確認し、整備と試験を実施したという。ふたが外れた原因は製造メーカーと調査中で、調査結果を基に再発防止策を講じるとしている。
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