JAL海外認知度「”日本の航空会社”でしかない」特集・大西前会長に聞く

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 航空会社の競争が激化していく中、人口の大幅増加が期待できない日本では、国際線の強化が不可欠だ。実際、日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)も、海外市場向けのマーケティングやセールスに力を入れている。

 JALは2019年以降、次世代の大型機としてエアバスA350-900型機とA350-1000を導入。2020年をめどに中長距離路線に参入する新航空会社も立ち上げ、アジアや欧米からの訪日需要取り込みを強化する。

IATA年次総会が開かれたシドニーで取材に応じたJALの大西前会長=18年6月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 こうした中、2010年の経営破綻後、JALの社長に就任した大西賢前会長(63)が、月内に開かれる株主総会と取締役会をもって、JALを離れる。毎年1回、航空業界のトップが一堂に会するIATA(国際航空運送協会)の年次総会(AGM)でも、広く交流を重ねてきた大西氏に、A350就航に対する期待や、中長距離を担う新会社、国内線用767の後継機問題、JALが海外で勝負していく際の課題などを聞いた。

—記事の概要—
A350「機内が静か」
LCCと呼ばないで
機材調達「20機が目安」
「JAL」として認知されていない

A350「機内が静か」

── A350-900が来年就航する。

19年から就航するA350は静粛性が売りのひとつ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

大西氏:エアバスは、搭乗したお客様が何を好むかを、よく調べている。A350に乗っていただくとわかるが、機内が静かだ。787よりもA380は静かだと感じたが、A350はもっと静か。

 彼らは飛行試験機の機内に、マイクをたくさん設置していた。これらのマイクで機内の騒音を調べていたのだろうが、ほかでは見たことがない数だった。

 ボーイング機が中心だった中、稲盛和夫名誉会長に背中を押してもらったのは事実。ボーイングの機体であれば、(機材選定が)うまくいっても、下手をしてもここまで、という加減がわかるが、新しいものは下限がわからないので恐い。ボーイング以外では、とんでもないものをつかんでしまうのでは、という心配があった。

 選定を進めていく中で、エアバスを信用できるのか、ぜひ新しいものにチャレンジしてみよう、ということになった。

LCCと呼ばないで

── 新たに中長距離LCCを立ち上げ、787-8で運航する。

中長距離線を担うJALの新会社は787-8を使用=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

大西氏:LCCではない! 低コストは追求するが、“LCC”という一つの言葉でくくって欲しくない。さまざまなサービスにチャレンジする航空会社だ。

 JAL本体がビジネスモデルを大きく変えるのは、ものすごくリスクが大きい。多くのお客様を


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