エアライン, 解説・コラム — 2018年5月23日 13:35 JST

中長距離LCC「2地点間需要が不可欠」特集・オーストリア航空 成田再就航(後編)

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 前編からの続き。オーストリア航空(AUA/OS)が、ウィーン-成田線を1年8カ月ぶりに再開した。5月16日の初便は、オーストリアと日本両国の国旗を掲げて成田空港へ到着した。

コックピットの窓に国旗を掲げ成田空港41番スポットに到着したオーストリア航空の再開初便となったOS51便=18年5月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 オーストリア航空はウィーン-成田線を1989年7月に開設したが、2016年9月4日の成田発ウィーン行きOS52便が最終便となり、日本から撤退。再就航後の運航スケジュールは、成田発が月曜から木曜と土曜の週5往復と、以前の1日1往復(週7往復)から減少したものの、機材はプレミアムエコノミークラスを設けたボーイング777-200ER型機を投入している。

 同社が属するルフトハンザグループで、オーストリア&スロバキア地区セールス担当シニアディレクターを務めるシュテファン・リンハルト氏に、ウィーン空港の強みや、中長距離LCCの動向をどう見ているかを聞いた。

*前編は「日本は航空会社に対する期待高い」

中長距離LCCは「ポイント・トゥ・ポイント需要」

東欧の玄関口となるウィーン国際空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ウィーン-成田線のように観光需要がメインの路線に対して、このところ存在感を増している中長距離LCCは、脅威とならないのだろうか。日本航空(JAL/JL、9201)が7月に設立する新LCCは、成田を拠点に欧米への路線展開を視野に入れている。

 リンハルト氏は、「LCCは何年も前から、アジアや欧米での競争のポートフォリオに含めている。(出発地と目的地の)ポイント・トゥ・ポイントの需要が十分にないと、結局は乗り継ぎ需要が必要となり、ネットワークを持つフルサービス航空会社(FSC)のビジネスでないと成立しない」との見方を示した。

 「LCC参入で、市場の航空運賃が下がるのは定説で、われわれには機会でもある。LCC参入で新たな需要が生まれるからだ。全体のパイは広がる」(リンハルト氏)と述べた。

 リンハルト氏はウィーン空港について、「フランクフルトやアムステルダムのスキポール、パリのシャルル・ド・ゴールといった欧州の大きな空港と比べ、乗り継ぎ時間が短い。東欧の玄関口として、使いやすい空港だ」と、ルフトハンザグループのネットワークを活用できる点をアピールする。

 オーストリア航空についても、「搭乗してすぐオーストリアにいる気分になれる」と、サービスに自信を示した。

(おわり)

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