ピーチ・アビエーション(APJ/MM)の井上慎一CEO(最高経営責任者)は5月9日、日本航空(JAL/JL、9201)が設立を検討している新LCCについて、「一緒に盛り上げていきたい」と語った。
日本経済新聞によると、JALはLCCを新設し、成田を拠点に、欧州や米国本土への中長距離路線を計画しているという。就航は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年を視野に入れている。
JALは、週明けにも正式発表する方向で調整を進めている。
ピーチを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は3月22日に、同じく傘下のバニラエア(VNL/JW)を2019年度末をめどに吸収すると発表。アジア諸国の中距離国際線LCCが成功するなど、競争環境が激化する中、競争力のあるピーチを軸にグループのLCC事業を再編する。
井上CEOは「3月の発表時に『(LCCが)中距離市場に参入しないと、世界の競争に負ける可能性がある』と申し上げた」とした上で、大手航空会社であるJALが中距離LCC参入を決めたことで「戦略が間違いなかったと確認できた」と、自信を示した。
ピーチは、2025年に開かれる万国博覧会を大阪へ誘致する活動に協賛。5月9日からは、エアバスA320型機(登録番号JA820P)の機体後方に万博誘致ロゴをデザインしたラッピング機「HONA IKOKA!(ほないこか)」号の運航を開始し、誘致への機運を高めている(関連記事)。
井上CEOは「北東アジアのLCC需要は、まだまだある」として、東京五輪や万博を契機に、訪日需要を取り込む意欲を示した。
関連リンク
ピーチ・アビエーション
日本航空
・ピーチ、大阪万博の誘致ロゴ ラッピング機で「ほないこか」(18年5月9日)
・ANA、ピーチへバニラ統合 本社一部を東京へ、中距離LCC進出(18年3月22日)
・ピーチ、大阪万博誘致のラッピング機 5月から(18年2月26日)