シンガポール航空(SIA/SQ)は5月3日、シンガポール-関西線にボーイング787-10型機を就航させた。787-10による世界初の定期便で、同社が今年で日本就航50周年を迎えることなどを記念し、関西線が選ばれた。
—記事の概要—
・ビジネスは全席通路アクセス
・座席供給量18%増
ビジネスは全席通路アクセス
787-10は、787ファミリーで3機種目となる超長胴型。長胴型である787-9の胴体を5.5メートル延長したもので、全長は787最長の68メートルとなり、設計と部品は787-9と95%共通している。
シンガポール航空は、787-10を運航する世界初の航空会社で、確定発注は最多の49機。座席数は2クラス337席で、ビジネスクラス36席、エコノミークラス301席となり、観光需要が多い中距離路線を中心に投入する。エンジンは、ロールス・ロイス製トレント1000の改良型「トレント1000 TEN」を採用した。
シートは、シンガポール-関西線などアジア域内路線用に新開発したもの。ビジネスクラスは、1-2-1席のスタッガード配列のステリア・エアロスペース製フルフラットシートを採用。既存の2-2-2席配列と異なり、全席が通路に面している。
長さは193センチ(76インチ)、幅は66センチ(26インチ)で、個人用画面は18インチのタッチパネルモニター。中央席は可動式のパーティションがあり、カップルや友人であれば開放、隣席が他人であれば閉めることができる。収納スペース内に電源コンセントや充電用USB端子を完備し、脇には鏡を設けた。
エコノミークラスはレカロ製。3-3-3席配列で、6段階に調整可能なヘッドレストを備える。個人用画面は11.6インチのタッチパネルモニターを採用した。従来あったフットレストは利用率が低いことからなくし、手荷物をしまいやすくするとともに、足もとを広くした。
機内エンターテインメント(IFE)「クリスワールド」も新世代のものを採用。米パナソニック・アビオニクス製「eX3」を搭載する。コンテンツは日本語に対応しており、シンガポール航空のマイレージサービス「クリスフライヤー」の会員であれば、往路で途中まで観た映画を、復路で続きを観ることもできる。
座席供給量18%増
シンガポール航空の関西線は1日2往復。これまでのエアバスA330-300型機(2クラス285席:ビジネス30席、エコノミー255席)と比べ、787-10は1便あたり52席(18%)増える。関空を夜発着するSQ622/623便も、5月16日から787-10に変更する。
18日からは、成田線にも投入。A330-300で運航している中部線と福岡線も、年内に787-10へ置き換える。
シンガポール航空のマック・スゥイー・ワー副社長は、「関西線はインバウンド(訪日)とアウトバウンドともに伸びており、今後さまざまなイベントが大阪で開催される」と、787-10による世界初の国際線定期便として関西線を選んだ背景を述べた。
シンガポール航空グループでは、LCCのスクート(SCO/TZ)が787-8と787-9を運航している。787-10の就航で、787ファミリー全3機種を運航する世界初の航空会社めてことになった。
787-10の導入路線
シンガポール→関西
SQ618 シンガポール(01:25)→関西(09:05)運航日:5月3日から
SQ622 シンガポール(13:55)→関西(21:35)運航日:5月16日から
関西→シンガポール
SQ619 関西(10:55)→シンガポール(16:40)運航日:5月3日から
SQ623 関西(23:25)→シンガポール(翌日05:05)運航日:5月16日から
シンガポール-成田
SQ638 シンガポール(23:55)→成田(翌日08:00)運航日:5月18日から
SQ637 成田(11:10)→シンガポール(17:20)運航日:5月19日から
関連リンク
シンガポール航空
Boeing
ボーイング・ジャパン
写真特集・シンガポール航空787-10 日本初公開
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