パナソニック(6752)は5月1日、米国子会社パナソニック・アビオニクス(PAC)が米国証券取引委員会(SEC)および米国司法省(DOJ)と合意し、制裁金約307億円を米政府に支払うと発表した。
PACは、航空機の機内エンターテインメント(IFE)システムなどを手掛ける米国の子会社。DOJとSECは同社に対し、連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)や米国の証券関連法に基づき、航空会社との特定の取引や、取引に関するエージェントやコンサルタントの起用などについて、調査を進めていた。
今回の合意に基づき、パナソニックとPACは、米政府に総額2億8060万2830ドル93セント(約307億円)の制裁金を支払う。パナソニックは、2018年3月期通期決算への影響について、2017年第3四半期までに引き当て済みのため、「重要なものではない」としている。
PACは今後2年間、第三者によるコンプライアンスに関するモニタリングを受ける。さらにその後、DOJに対して1年間、コンプライアンスに関する自主報告を行う。また、PACの企業風土改革に向け、CEO(最高経営責任者)をはじめとする経営陣を刷新し、エージェントやコンサルタントは大幅に起用を減らし、管理強化を進めるという。
PACのIFEは、国内外の航空会社が多数採用。機内インターネット接続サービスでも、大きなシェアを獲得している。
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