ノックスクート・エアライン(NCT/XW)は4月23日、バンコク(ドンムアン)-成田線を開設すると発表した。現地時間6月1日から、1日1往復運航する。国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)による、タイ航空局(CAAT)に対する「重大な安全上の懸念(SSC)」が解除されたことにより就航する。グループ会社のスクート(TGW/TR)と合わせ、タイからの訪日客のほか、日本からタイへの渡航需要の獲得強化を狙う。
—記事の概要—
・スクート継続で需要強化
・地方都市へも意欲
・ICAOのSSC解除で就航
・スクートと合併せず
スクート継続で需要強化
機材はボーイング777-200ER型機で、座席数は2クラス415席(スクート・ビズ24席、エコノミー391席)。成田行きXW102便は、バンコクを午前2時20分に出発し、午前10時25分に到着。バンコク行きXW101便は、成田を午後1時55分に出発し、午後6時25分に到着する。成田ではスクートと同様、第2ターミナルを使用する。
バンコク-成田線は、スクートも1日1往復運航している。都内で会見に臨んだノックスクートのギャン・ミン・トー副最高経営責任者(Deputy CEO)は、「日本からも高需要で、選択肢があることはいいことだ」と述べ、スクートと並行して運航する姿勢を示した。
搭乗率は85%程度を見込む。ノックスクートの坪川成樹・日本支社長は、スクートが運航する同路線の2017年度(4月-18年3月期)の搭乗率が95.4%だったとした上で、「日本ではスクートと同じチームが販売する。同じくらいの比率になるのではないか」と述べ、期待を寄せた。
坪川支社長によると、スクートのバンコク-成田線の販売割合は、タイ発が53%、日本発が40%、そのほかの国発が7%だという。
地方都市へも意欲
ノックスクートは2014年8月に、スクートとタイのLCCノックエア(NOK/DD)が合弁で設立。2015年5月に定期便の運航を開始し、現在は中国の南京と青島、大連、天津、瀋陽、西安、台湾の台北の計7都市へ就航している。
保有機材は777-200ERのみで、現在は4機保有。4月24日には5号機が到着する。年内には737-800を自社購入かリースで導入する。
日本路線は今後、1-2都市の新規開設を目指す。トー副CEOは今後の日本路線について、「普通に考えると、東京以外では関西や名古屋、福岡などが挙げられる」と述べ、「単通路機(737-800)を導入すれば、これらの主要都市以外への就航も考えられる」と地方都市への乗り入れにも意欲を見せた。
ICAOのSSC解除で就航
ICAOは2015年3月に、タイ当局に対してSSCを指摘。猶予期間を過ぎても十分な改善策が示されなかったことから、同年6月18日には問題点があることを示す「赤旗(Red flag)」をタイ当局に示した。航空会社が新路線の開設などを当局に申請した際、担当者が不十分な知識で審査をしており、ICAOが定める安全監査基準を満たしていないと判断した。
この影響を受け、タイ国籍の航空会社は就航している定期便やチャーター便については運航を継続できるものの、日本をはじめとするICAO加盟国への新規就航や、増便などのスケジュール変更、機材変更などができない状況になった。
ノックスクートもこの影響を受け、2015年3月末までに予定していたバンコク-成田線の定期便就航を延期。2016年3月からチャーター便を運航するなど、計画変更を迫られた。
ICAOのタイ当局に対するSSCは、2017年10月に解除。このため、ノックスクートは定期便を開設できるようになった。
スクートと合併せず
シンガポール航空(SIA/SQ)傘下のLCCスクートは、2017年7月に旧・タイガーエアと合併。スクートは中長距離を787で、タイガーエアはエアバスA320型機で近距離路線を運航していた。現在はスクートブランドに統一し、それぞれの路線を運航している。
スクートと合併する可能性について、トー副CEOは「スクートのビジネスモデルを用いて展開する。単通路機を導入し、各都市への接続性を高める」と述べ、合併せずに個社での事業展開を継続する意向を示した。
運航スケジュール
XW102 バンコク(02:20)→成田(10:25)
XW101 成田(13:55)→バンコク(18:25)
関連リンク
ノックスクート
ノックスクート
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