国土交通省航空局(JCAB)は1月17日午後1時、日本航空(JAL、9201)と全日本空輸(ANA、9202)のボーイング787型機でバッテリーに関連したトラブルが相次いだことで、787に対して耐空性改善通報(TCD)を発行した。現地時間16日に米国連邦航空局(FAA)が、バッテリーシステムを改修するまで787の運航を一時禁止する耐空性改善命令(AD)を出したことによるもの。
同TCDでは、リチウムイオン電池の損傷により可燃性の電解質が放出されることで、重要なシステムや構造の損傷、電気室内の火災に至る不具合を防ぐため、FAAのADに従って改修や処置を行うよう求めている。同TCDでは、28日までに実施状況を報告するよう指示している。
787のバッテリー関連のトラブルは、現地時間7日にボストンのローガン国際空港に駐機していたJALの787(登録番号JA829J)の補助動力装置(APU)用リチウムイオンバッテリーから出火。16日にはANAの山口宇部発羽田行きの787(登録番号JA804A)が、操縦室でバッテリー関連の警告が表示され、乗員乗客が異臭を感じたため午前8時45分ごろ高松空港へ緊急着陸している。
16日の緊急着陸時は機内では煙が確認されなかったものの、高松空港の管制塔から乗員に煙が出ているとの連絡が入り、乗員も窓の外に煙が見えることを確認したため、非常脱出を行った。
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