エアライン, 企業 — 2018年2月9日 09:50 JST

JAL、民泊サービスと資本提携 訪日客で地域活性化、第1弾は奄美

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 日本航空(JAL/JL、9201)と民泊サービスの百戦錬磨(仙台市)は2月8日、資本・業務提携を締結したと発表した。欧米やアジアの富裕層を対象に、民泊を活用した体験型ツーリズムなどを提案していく。

業務提携を結んだJALの本田国内路線事業本部長(右)と百戦錬磨の上山社長(中央)=18年2月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

百戦錬磨との業務提携について説明するJALの本田国内路線事業本部長=18年2月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今年6月に住宅宿泊事業法が施行されることから、地域の空き家や古民家などを宿泊施設として利用する「民泊」を、旺盛な訪日需要の取り込みに活用する。特に、観光地として魅力はあるものの、ホテルなどの宿泊施設が足りない地域で民泊を活用し、訪日客に農業や酪農体験などを組み合わせた旅を体験してもらう。

 百戦錬磨は、自治体の許認可を持つ施設のみを扱う、日本初の民泊予約サイト「STAY JAPAN」を運営。JALとは2016年5月から取引がある。

 地方都市では今後、人口が20%減るところが出てくると言われており、空き家対策などが求められている。JALの本田俊介・執行役員国内路線事業本部長は、「訪日外国人が増えると、地方では受入体制と宿泊施設不足が課題になる。百戦錬磨は合法の民泊施設のみを扱っており、体験型民泊も抱負に扱っている」と、提携に至った経緯を説明した。

 両社は今後、JALが運営する訪日客向けウェブサイトなどで集客を進める。第1弾は奄美地方で、自治体と連携して自然を楽しんでもらう「エコツーリズム」の商品などをそろえる。

 本田氏は「今回の取り組みで、訪日客が飛行機で国内移動する需要を10-20%押し上げたい」と述べた。「奄美はビーチや原生林など、手つかずの自然を肌で感じられる。体験型の旅を好む欧米の旅行者を中心に、アジアでも買い物ではなく価値を感じたい層をターゲットにしたい」と語った。

 百戦錬磨の上山康博社長は取扱物件数について、「現在は約2000件程度だが、6月に住宅宿泊事業法が始まると、万単位に増やしていけるのではないか」と、拡充に期待を寄せた。

 本田氏によると、JALの出資比率は数パーセント、数億円の規模で、2017年に出資済み。今後は百戦錬磨の社外取締役に、本田氏が就任する見通し。

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日本航空
STAY JAPAN

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