2011年の就航以来、全日本空輸(ANA/NH)のボーイング787-8型機の初号機(登録番号JA801A)と2号機(JA802A)のみがまとってきた特別塗装が、2017年をもって姿を消した。白いボディーに濃紺のアクセントが入ることから、航空ファンからは“鯖”(サバ)塗装とも呼ばれて親しまれてきたが、JA801Aは2月12日のプノンペン発成田行きNH818便、JA802Aは9月28日の北京発羽田行きNH964便が、特別塗装最後の商業フライトとなった。
特別塗装機は、ANAの通常デザインで用いられているブルーよりも濃い色が後部胴体に配され、前部胴体には「787」と描いて最新鋭機をアピール。その後、登録番号JA803AからJA824Aまでの機体は、ANAの通常塗装をベースにしたデザインに変わり、前部胴体に「787」と大きく描いた。
2014年2月6日に引き渡されたJA825A以降は「787」のロゴがなくなり、他機種と同じ「トリトンブルー」の通常塗装機となっている。トリトンブルーは1982年12月に登場以来、35年以上使用されているデザインだ。
2015年10月に定期便初便が就航した「R2-D2ジェット」(787-9、JA873A)のような特別塗装機を除くと、ANAの787は「787ロゴ塗装」と「トリトンブルー」のみとなり、787ロゴ塗装も順次トリトンブルーへの再塗装が進んでいる。
JA801AとJA802Aの再塗装は、伊丹空港にあるANAホールディングス(9202)が出資する整備会社MROジャパンの格納庫で行われた。全日空整備を前身とする同社は、これまでに映画『スター・ウォーズ』に登場する人気キャラクター「C-3PO」を描いた「C-3PO ANA JET」(777-200ER、JA743A)など、ANAのさまざまな特別塗装機も手掛けている。
787は胴体が炭素繊維複合材で出来ていることから、ペイント層が777や767など従来機と異なる。従来機は、下地塗装の上に表面塗装を施していたのに対し、787は下地と表面塗装の間に、溶剤で塗装を除去できるようにする「中間塗装」が用いられている。
再塗装時には、退色を長期間防いでつやが長持ちする次世代塗装システム「BC/CC(ベースコート/クリアコート)」を採用。洗浄後の機体に色が付いている「ベースコート」を塗り、その上からクリアコートを施して塗装を保護している。
本写真特集では、JA802Aをトリトンブルーで仕上げる作業を中心に取り上げる。
*写真は50枚。
*鯖塗装をはがす作業はこちら。
*JA802Aの鯖塗装最終日の写真はこちら。
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