エアライン, 企業, 機体 — 2017年11月25日 21:29 JST

三菱マテリアル子会社不正、JAL・ANAも確認急ぐ

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 三菱マテリアル(5711)の子会社2社が一部製品の検査データを改ざんしていた問題で、航空・宇宙分野の企業へは、三菱電線工業が納品していた。日本航空(JAL/JL、9201)は11月25日、三菱電線から該当する不適合製品が納入されていたものの、航空機を整備する際に使用していないことを確認。全日本空輸(ANA/NH)も、現在調査を進めているという。

三菱電線工業のOリング(同社サイトから)

 三菱電線で、改ざんにより社内仕様値などを逸脱した「不適合品」が出荷された可能性がある顧客は229社で、このうち航空・宇宙分野は70社。2015年4月1日から今年9月30日までに出荷された製品のうち、「パッキン」や「ガスケット」など、ゴムを主な素材とした油や水、空気などのもれ留め部品で、不適合品があった。

 JALによると、航空機に使う「Oリング(オーリング)」に三菱電線の製品があったが、Oリングは複数社から調達しているという。三菱電線から製品を回収するとの連絡があり、機体を確認したところ、当該品は整備時に使用していなかった。今後はボーイングなど、機体メーカーが製造時に使用していないかなど、調査報告を待つという。

 ANAも、三菱電線と連絡を取っており、同社や機体メーカーの情報を含めて調査を進めている。

 また、自衛隊機と艦艇のエンジンで、三菱電線製パッキンが使われていることが判明している。

 三菱電線によると、経済産業省や国土交通省に対しては説明済みだという。FAA(米国連邦航空局)やEASA(欧州航空安全局)といった主要機体メーカーがある欧米の航空当局に直接説明するかについて、同社は24日、現時点では未定だとAviation Wireに回答した。

 検査証明書のデータ改ざんが発覚した神戸製鋼所(5406)の製品については、EASAは安全が確認されるまで使用を中止するよう、10月に勧告している。

 もう1社の三菱伸銅によると、不適合品が出荷された可能性がある顧客29社のうち、航空・宇宙分野に該当する企業はなかったという。三菱マテリアルの子会社では、三菱アルミニウムでも不適合品の出荷があったが、顧客に対する安全確認を終えているとして、顧客数などは公表していない。

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