エアライン, 企業, 空港 — 2017年11月24日 10:48 JST

三菱重工、宮崎空港にQ400対応搭乗橋 12月稼働

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 三菱重工業(7011)のグループ会社で搭乗橋(PBB)などを手掛ける三菱重工交通機器エンジニアリング(MHI-TES、広島県三原市)は、宮崎空港のターミナルビルを運営する宮崎空港ビルからPBBを5基受注し、9月から12月にかけて納入している。空港施設の改修に伴うPBB更新で、国内初となる「小型機対応ロングPBB」が2基、トンネル通路内に段差がない「ステップレスPBB」が3基が納入され、12月下旬から稼働する見通し。

三菱重工交通機器エンジニアリングが宮崎空港に納入する小型機対応ロングPBBのイメージイラスト(三菱重工提供)

三菱重工交通機器エンジニアリングが宮崎空港に納入するステップレスPBBの構造(三菱重工提供)

 ロングPBBは、構想から5年がかりで宮崎空港ビルと共同開発。宮崎空港を発着する国内線に使用されるボーイング737-800型機などジェット機に加えて、PBBを接続する機体のドアの高さが低い、ターボプロップ(プロペラ)機のボンバルディアDHC-8-Q400型機にも装着できる。

 従来のPBBは、Q400など100席未満のリージョナル機には直接接続できず、乗客が駐機場を歩いていき機体のステップを用いるか、空港によっては機体とPBBの間に「PBBアダプター」をかまして運用していた。ロングPBBは緩やかなトンネル傾斜を維持し、全機種に接続できるようヘッド構造や昇降装置、走行装置、トンネル部などの設計を見直したという。

 ステップレスPBBは、PBBを構成する大枠トンネル通路と、内側の小枠トンネル通路がスライドして伸縮する構造上、避けられないと考えられていた段差を解消。大小トンネル通路の床をフルフラット化した。また、大枠トンネル通路床の両脇に設けられていた「雨どい」の溝もなくし、車いすを使う場合でも安全に移動できるバリアフリー構造にした。

 宮崎空港に納入するPBBは、いずれも開放感あふれるガラストンネル式を採用。外観は南国リゾートである宮崎の青い空と山の緑、宮崎空港の愛称となったブーゲンビリアの花をあしらった。

 宮崎空港ビルでは、2019年3月の完成を目指し国際線施設の整備や、国内線ターミナルのリニューアル工事を進めている。今回、ステップレスPBBのうち1基は、新設される国際線専用スポットに設置される。国内線にはロングPBB2基が新設され、既存のPBB2基がステップレスPBBに更新される。

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