2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催前の配分が検討されている羽田空港の国際線発着枠について、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)の片野坂真哉社長は11月21日、従来同社が主張を続けてきた日本航空(JAL/JL、9201)との格差是正とは切り離して、発着枠獲得を目指す考えを示した。
片野坂社長はAviation Wireの取材に対し、「羽田を中心に競争環境がゆがんだと当局に働きかけてきた結果、(13年3月増枠の)国内線はANAが8枠に対しJALが3枠、(14年3月増枠の)国際線では11:5、(16年10月の)米国路線も4:2と、具体的な数字で是正に大きな力をいただいた」と、これまで3回連続の傾斜配分が事業拡大につながったとの見解を述べた。
次回の国際線発着枠配分については、「格差是正ではなく、素直に1枠でも多く獲得していくのが、われわれ航空業界の戦略上の常識的な取り組み。1枠でも多くと、働きかけていく」と語った。
過去の国内線発着枠の配分では、安全運航や利用者側に立った運賃提供などが評価されたとした上で、「国際線もお客様の信頼を得る航空会社であることが大事」と述べた。
一方、JALは2010年1月19日に経営破綻後、国土交通省航空局(JCAB)が2012年8月10日に示した文書「日本航空への企業再生への対応について」(いわゆる8.10ペーパー)に基づき、新規の大型投資や新路線開設が、今年の3月31日まで監視対象になっていた。
片野坂社長は「ある意味で、8.10ペーパーは3月末で区切りがついたと認識している」とした上で、「格差是正は、大きくゆがむようであれば申し上げていく」と述べるにとどめた。
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全日本空輸
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