日本航空(JAL/JL、9201)は現地時間11月2日、大連線就航20周年を迎え、大連周水子国際空港で記念式典を開いた。乗客には、ドラえもんのトートバッグが係員から手渡された。
—記事の概要—
・787-9投入
・歴代制服の係員が出迎え
・関西発着で就航
787-9投入
JALが就航する中国の都市は、北京と上海(浦東、虹橋)、大連、広州、天津の5都市。大連には1997年11月2日に就航し、現在は成田から1日1往復乗り入れている。運航スケジュールは、大連行きJL827便が成田を午前9時25分に出発して午前11時45分着、折り返しの成田行きJL828便は午後1時に大連を出発して、午後4時55分に到着する。
機材は、ボーイング787-9型機「スカイスイート787」の新仕様機を、7月31日から投入。時刻表では「SS9 II」、座席配置は「E91」(従来仕様はE71)と表記している。座席数は3クラス203席で、ビジネスクラス「スカイスイートIII」が52席、プレミアムエコノミー「スカイプレミアム」が35席、エコノミー「スカイワイダー」が116席だが、成田-大連線はビジネスとエコノミーの2クラス販売で、ビジネス後方24席とプレエコ35席は、エコノミー扱いとしている。
ビジネスはフルフラットシートを斜めに配置する「ヘリンボーン配列」で、座席配列は全席から通路へアクセス出来る1-2-1席配列を採用。シートを足もとで立体交差させ、内側に小物入れのある可動式アームレストを通路側に設けた。
エコノミー扱いとなるプレエコは、2-3-2の横7席配列。エコノミーは2-4-2の横8席で、787のエコノミーが世界的に横9席となる中、唯一従来と同じ8席を維持しており、9席配列と比べてシート幅は約5センチ広いのが特徴となっている。
歴代制服の係員が出迎え
2日の20周年式典では、大連支店の地上係員をはじめとするJALの社員が、客室乗務員や地上係員の歴代制服や和服を着用し、乗客を出迎えた。また、チェックインカウンターには、1997年11月の卓上カレンダーを模した大きなオブジェが飾られ、機内のシートを紹介する切手をかたどった装飾が施されたほか、搭乗口前で開く記念式典についても案内していた。
客室乗務員の制服は、1996年10月から2004年3月着用の8代目と、現行の一つ前となる2004年4月から2013年5月着用の9代目が、地上係員のものは1988年1月から2004年3月着用の4代目と、2004年4月から2013年4月着用の5代目がそれぞれ選ばれ、制服の変遷で就航から現在までを振り返った。
JALの笹原信・中国総代表室大連支店長は、「中国では北京と上海に続く3番目の都市として大連に就航し、これまでに約200万人のお客様にご利用いただいた」と謝辞を述べた。大連発便を操縦する牛田憲幸機長は、「787はより揺れの少ない高い高度を飛べるが、機内ではお客様の身体の負担が少なくなる工夫がされており、快適な空の旅をお楽しみいただける飛行機になっている」とあいさつした。
2日は、成田から午前11時30分に到着したJL827便の乗客163人を、地上係員らが出迎えたほか、午後0時50分に乗客159人を乗せて出発した成田行きJL828便の出発時には、駐機場から社員が横断幕を手に見送った。また、JALが中国路線の宣伝に起用しているドラえもんが描かれたトートバッグが記念品として、乗客にプレゼントされた。
笹原支店長は、「大連の中国人スタッフが就航20周年のために、いろいろと動いてくれたことがうれしかった」と述べ、一般的に中国では社員の企業に対する帰属意識が低いと言われる中、奔走した中国人社員の労をねぎらった。
関西発着で就航
JALは1985年4月19日に、東京-大連間のチャーター便を初めて運航した。国際線定期便就航時は、大連線を開設するために必要な日中間の権益はあったものの、成田空港の発着枠に空きがなかったことから、1997年7月18日に関西-大連線の開設を申請し、同年11月2日に就航。ボーイング767-300型機で、週2往復の運航からスタートした。
大連は1974年9月就航の北京と上海に続き、JALの中国への定期便就航地としては3都市目になった。翌1998年4月17日には、成田-大連線を申請。同年7月1日に、767-300による週2往復の運航でスタートし、同年10月1日から週4往復に増便、1999年4月1日から週3往復に減便、2001年11月16日から週4往復に戻した後、2003年11月1日から週7往復(デイリー)となった。
成田線は、2007年5月1日から737-800に小型化した際、週3往復に減便となったものの、現在は週7往復運航。2011年1月5日からは、中国南方航空(CSN/CZ)と同路線でコードシェアを開始した。機材も2015年3月から787-8を導入し、今年7月31日からは787-9に大型化している。
一方、関西線は1998年10月1日から一度目の運休。2001年4月1日に週2往復で再開し、2003年11月1日から週3往復、2007年7月1日から週7往復に増便したものの、2009年10月25日から再び運休している。また、貨物便も2002年9月1日から成田線、2007年7月1日から関西線の運航を始めたものの、成田線は2008年3月30日から、関西線は2009年3月29日から運休している。
笹原支店長は、「長期的には増便や、就航路線の増加を目指したい」と今後の抱負を述べた。
10月31日に、都内でAviation Wireの取材に応じた植木義晴社長は、「中国の地方からの需要を取り込む意味で、大連は重要な空港の一つだ」と述べ、北京や上海とは違った重要度の高い就航地だとの考えを示した。
運航スケジュール
JL827 成田(09:25)→大連(11:45)
JL828 大連(13:00)→成田(16:55)
*写真は29枚。
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