全日本空輸(ANA/NH)は10月26日、米国土安全保障省(DHS)の運輸保安局(TSA)が運営する「TSA Pre(TSA事前審査プログラム)」への参加が認められたと発表した。米国籍や永住権を持つTSA Pre有資格者が米国の空港を出発する際、保安検査場の専用レーンを通過できるようになる。日本の航空会社がTSA Preに参加するのは初で、米国からの訪日客獲得に弾みをつける。
TSA Preは、同プログラムへの参加をTSAが認めた米国内の「加盟空港」から有資格者が出国する際、保安検査を専用レーンで受けられるプログラム。米国籍や米国永住権(グリーンカード)の保持者などが対象で、日本国籍の人は対象外となっている。
専用レーンでは、保安検査時にくつやベルト、薄手のジャケットを脱いだり、機内持ち込み手荷物にしまったノートパソコンや液体物の取り出しが不要になる。
加盟空港から出国する際、TSA Preへの参加が認められた航空会社を利用することが、専用レーンを使う条件の一つ。ANAによると、これまでにユナイテッド航空(UAL/UA)など米国の航空会社を中心に37社が認可されており、今回ANAを含む5社が新たに認められ、日本時間25日午後11時から専用レーンを利用できるようになった。
TSA Preは、運航便の航空会社ごとに判断される。例えば、ANAと北米路線で共同事業(JV)を展開するユナイテッド航空の便名でANA運航便の航空券を購入した場合、これまでは専用レーンを利用できなかった。
ANAが就航している米国の9空港は、すべて加盟空港。ANAの参加が認められたことで、TSA Preの有資格者は予約時かチェックイン時に必要な情報を登録することで、専用レーンを利用できる。
今回の認可取得による利便性向上で、ANAは米国からの訪日需要獲得を目指す。
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