三菱重工業(7011)は12月19日、ボーイング787型機向けに100号機目となる複合材主翼を名古屋航空宇宙システム製作所大江工場から出荷したと発表した。2007年5月の初号機出荷から約5年半で到達した。
18日には大江工場で記念式典が行われ、ボーイング・ジャパンのジョージ・マフェオ社長らが出席し、出荷式が行われた。
複合材主翼は、旅客機では787が初採用したもの。炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製で、従来のアルミ合金やチタン合金に比べ強度や剛性、耐蝕性に優れている。また、大幅な軽量化と約20%の燃費向上を達成した。
ボーイングでは現在月産5機の787の生産体制を13年後半までに月産10機に倍増させる計画。三菱重工では、複合材を硬化するために06年から稼働している世界最大級のオートクレーブ(複合材硬化炉)1号機に加え、2号機を11年に導入しており、工程見直しなども進めることで増産に対応する。
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